歯科衛生士の手取り給料の平均金額は?
厚生労働省が2019年に行った『賃金構造基本統計調査』によると、歯科衛生士の手取り給料の平均金額は26万8,700円。
この調査の対象は「常勤労働者5名以上の歯科医院で勤務している歯科衛生士」となっており、最新の調査結果である2019年度歯科衛生士のデータの平均勤続年数は6.7年、平均年齢は34.9歳となっています。
調査期間である2019年の時点で24万円~28万円ほど手取り給料があれば平均的であると言ってよいでしょう。
表1:歯科衛生士の平均月収額の推移
年 |
平均月収 |
2019年 |
26万8,700円 |
2018年 |
26万8,000円 |
2017年 |
25万1,100円 |
2016年 |
26万200円 |
2015年 |
25万7,700円 |
2014年 |
24万5,500円 |
この表だけを参考にすれば、年度ごとの推移を見ても平均給料は年々上昇しているため、歯科衛生士の給与水準は総じて改善しています。
歯科衛生士の給与が決まるポイントについては、以下の記事でも解説していますので、併せて参照してください。

併せて読みたい
歯科衛生士の給与額が決まる瞬間
何はともあれ、ここで気になるのは2020年以降の平均月収です。
2020年以降はコロナ渦ということもあり、コロナの影響でどの程度歯科衛生士の月収に変化があるかは非常に気になるポイントですよね。
そのため、2020年以降のデータも公表され次第、この記事も更新したいと思います。
さて、では次に年齢や地域、男女別の給与を細かく見ていきましょう。
年齢別の平均給料
図1:<年齢別>歯科衛生士の平均月収
上記は年齢別で見た歯科衛生士の平均月収。
歯科衛生士は勤続年数やキャリアアップに応じて昇給していくのが一般的ですが、図を見ると35歳~39歳で一度手取り給料の平均金額が下がっているのが分かります。
この理由として挙げられるのは復職でしょう。
日本歯科衛生士会が実施した調査によると、勤務先変更の理由として「出産・育児」「結婚」が上位になっており、ライフステージの変化によって離職する方が多いことが分かります。(※1)
また、同調査には未就業の歯科衛生士の50%が近く再就職を希望しているというデータもあります。
35歳~40歳で再就職する方が増えていることから、結婚・出産・育児を経て復職して間もない時期の手取り給料が反映されたと考えられます。
地域別の平均給料
図2:<地域別>歯科衛生士の平均月収TOP10
地域別に給与額を見ていくと、手取り給料の平均金額が一番多い地域は宮城県で、も47都道府県の中で一番高いという結果が出ています。
求人数の多い首都圏の給料が高いイメージを抱きがちですが、宮城や青森、富山などの地域も上位に挙がっているのは興味深いポイントです!
男女別の平均給料
平均金額を男女別に比較したデータは以下の通りです。
表2:<男女別>歯科衛生士の平均月収の推移
|
男性 |
女性 |
2019年 |
19万7,100円 |
26万9,000円 |
2018年 |
40万3,300円 |
26万7,500円 |
2017年 |
40万4,300円 |
25万200円 |
2016年 |
40万4,000円 |
25万7,800円 |
2015年 |
― |
25万7,700円 |
2014年 |
26万2,200円 |
24万5,400円 |
このデータを見ると、2018年までは男性の平均給料が女性の平均給料を15万円程上回っていたのにも関わらず、2019年には7万円ほど下回るという結果が出ています。
ただし、こういったデータが出る理由として、歯科衛生士の大半は女性が占めており、男性の数が少ないため統計結果が不安定になっていることが考えられますので、これはあまり参考にならないデータかもしれませんね、、^^;
歯科衛生士の平均賞与はどれぐらい?
歯科衛生士全体の平均賞与は2019年時点では48万400円です。
過去5年の歯科衛生士の平均賞与データをさかのぼってみると、徐々に賞与額が増加してきていることが分かります。
表3:歯科衛生士の平均賞与の推移
年 |
平均賞与 |
2019年 |
48万400円 |
2018年 |
42万3,000円 |
2017年 |
41万2,700円 |
2016年 |
40万2,300円 |
2015年 |
44万1,900円 |
2014年 |
40万5,200円 |
賞与は支給回数や金額などを事業所ごとに自由に決めてよいことになっているため、賞与がまったく出ないというところもあります。
次に、平均賞与を男女で比較した時の違いは以下のようになります。
表4:<男女別>歯科衛生士の平均賞与の推移
|
2019年 |
2018年 |
2017年 |
2016年 |
男性 |
71万9,200円 |
147万円 |
96万6,000円 |
92万7,800円 |
女性 |
47万9,400円 |
41万8,600円 |
40万9,800円 |
39円3,400円 |
最新のデータである2019年の平均賞与を男女で比較すると、男性のほうが24万円程度高いことが分かりました。
男性の場合は、、
・妊娠や出産で復職するケースが少なく勤続年数が長くなる傾向がある
・そもそも男性の割合が少なく、データの制度が低い
といった理由から男性の平均賞与が高くなっていることが考えられます。
歯科衛生士の平均時給はどれぐらい?
日本歯科衛生士会が令和2年に発表した『歯科衛生士の勤務実態調査報告書』によると、常勤で給与形態を「時間給」と回答した方のうち、27.3%が「1,100円以上1,300円未満」と回答し、一番多い割合を占めています。(※1)
非常勤においても、27.7%が「1,100円以上1,300円未満」と回答しているため、常勤・非常勤ともに1,100円~1,300円程度が平均的な時給と言えます。
平成22年や平成27年のデータと比較すると1300円以上の時給をもらっている方の割合が徐々に増えており、歯科衛生士の時給は増加傾向のようです。
歯科衛生士は勤続年数とともに平均給料が上がっていくケースが多い!
歯科衛生士は初任給が18万円~21万円ほどが相場となっており勤続年数とともに昇給していくのが一般的です。
しかし、勤続年数による給与アップだけではある程度の金額になると頭打ちとなるケースが多く、年収で言えば500万円を超えることはそう多くはないでしょう。
※とはいえ、事業所によって待遇が大きく異なるため、好待遇の事業所に長く勤めることができれば、平均給料を超える金額を得られる場合もあります。
長く働ける職場を見つけ、堅実にスキルや自身の評価を高めていくことができれば、勤続年数が長くなるにつれて給料の額も上昇するはずです。
さらに、歯科衛生士が給与を上げるための方法(=稼げる歯科衛生士の特徴)は以下の記事でも詳しく紹介してますので、是非参考にしてみてください!!

併せて読みたい
30万円以上稼げる歯科衛生士になる方法
参考文献
※1:日本歯科衛生士会『歯科衛生士の勤務実態調査報告書』 |