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給与・年収

知ってた?歯科衛生士の給与の仕組み《手取り・ボーナス・資格》

知ってた?歯科衛生士の給与の仕組み《手取り・ボーナス・資格》
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作成日:2020/03/26

歯科衛生士の「リアル」な手取り

求人を見ると【月23万〜】と記載されているのをよく見かけますが、手取りとして振り込まれる金額は実際いくらになるのでしょう?

 

 

“月給”と“手取り”の違い

“月給”について:求人に掲載されている金額になります。
“手取り”について:月給 -《保険料 + 年金 + 税金》の金額になります。

「3つ」の引かれるお金

前述したように、月給 -《保険料 + 年金 + 税金》の金額が一般的に手取額と言われるものです。

保険料と年金に関しては、社会保険にクリニックが加入しているかどうかによって異なります。求人に掲載されている金額が同じだったとしても、振り込まれる手取り額はクリニックによってそれぞれ変わってくるんです。

それでは、社会保険料・国民健康保険料 / 国民年金・厚生年金がそれぞれいくら位の料金が引かれるのかを見てみましょう。

保険料は主に以下の3つが給与から引かれる対象となります。

① 雇用保険
② 労災保険 
③ 健康保険(社会保険 or 国民健康保険 or 歯科医師国保 )
 

 

 

雇用保険と労災保険


労災保険は正式には労働者災害補償保険と言います。
どの求人募集をみても雇用と労災は記載されていることが多い実感があると思います。なぜならこの2つの保険は週20時間以上働く人を採用する際は、クリニック側が必ず加入しなければいけない保険なのです。

そのため常勤で働く歯科衛生士は必ず給与から引かれる保険になります。この保険は2つで1つのセット保険のようなもので、雇用保険と労災保険をあわせて【労働保険】と呼ばれることもあります。



雇用保険も労災保険もそれぞれ額面給与の約3%ずつですので、給与額が25万円の衛生士であれば2つ合わせて約1500円になります。全くと言っていいほど高い保険料ではないです。そしてこの保険は入っておくとかなりメリットが高いので、しっかりと保険内容を確認しておきましょう。

ごく稀に常勤勤務にも関わらず「雇用保険・労災保険」に入ってないクリニックを見かけます。これは国にあなたを雇い入れている申請を出していないため、後々支障が出ることが多いですので、気をつけてください。

※ 雇用保険加入者は転職時にもらえる可能性が高い再就職手当に関して

 

社会健康保険 / 国民健康保険 / 歯科医師国保

 
健康保険は日本では必ず加入しなければいない保険となっております。

歯科衛生士の場合は「社会健康保険」か「歯科医師国保」か「国民健康保険」の3つ内いずれかに入ることになります。

社会健康保険は年収によって支払い金額が変わってきます。目安としては額面給与の約11.6%となり、その内半分をクリニック側が負担する労使折半(雇い主と雇われている人が半分ずつ国に支払う)となっているため給与額の約5.8%が額面給与から引かれる形になります。

国民健康保険料は給与から引かれて支給されることはなく、自分自身で毎月支払う形になります。そのため振り込まれる給与は社会健康保険に加入しているクリニックよりは多くなります。国民健康保険(通称こくほ)の料金は年収によって異なり、さらに世帯収入も影響してくるため、単純な計算式ではありませんが、社会健康保険料として給与から引かれる金額よりも数千円高いイメージを持っておけば大幅なズレはありません。

歯科医師国保(東京都は歯科医師健保組合)は都道府県の歯科医師会に加入しているクリニックに勤めている場合に入っていることが多く、料金は都道府県によっても異なりますが、1万円〜1.3万円ほどもことが多いです。この金額が給与から天引きされルため、社会健康保険と同じく手取り給与は減りますが、自分で支払う必要はありません。

 

年金

歯科衛生士の場合は国民年金or厚生年金の2択だと思ってください。
国民年金は給与から引かれることはなく、自分自身で支払う形になります。現在はインターネットでの自動引き落とし設定もできますので、手間はほとんどないと言えます。料金は年収による差はなく、年収3000万円の人も300万円の人も同額で2020年4月現在16,490円になります。 

社会保険に加入している場合は厚生年金料金をクリニックが国に支払うため、給与から天引きされます。料金は国民年金とは異なり、年収によって異なるため、給与額が多い方ほど引かれる額も多くなります。この厚生年金も社会健康保険と同じく労使折半となるため、実際にあなたの給与から引かれるのは全体金額の半額となります。
実際に厚生年金の方が国民年金より金額が高いです。『えっ?』と思われる方もいるかもしれませんが、厚生年金は国民年金額+所得に応じた料金とイメージですので、月給25万円の方ですと自己負担金額が2万円を超える程度の金額となります。
 

税金

所得税ってなに?:給与の額に応じて引かれる金額です。自分の所得税が気になる場合は「インターネット」で調べることができるので検索してみてください。

住民税ってなに?:給与の額に応じて引かれる金額です。基本的に住民税は、雇い主側が直接国に納める仕組みになっています。この金額は年収額はもちろんお住いの市町村によっても大きく異なります。25万円の月給設定の方は約1万円弱と考えて差し支えはないです。


手取りの目安は?

実際によくあるケースとして「手取りで20万以上稼ぎたいです!」というご要望ですが、給与設定が25万以上ですと、手取りで限りなく20万に近い金額になります。但し、手取りで20万以上貰ってると思っている歯科衛生士の中には、交通費が含まれてる場合もあります。例えば交通費が1万5千円含まれてる場合、21万円もらえますが、実際の手取りは19万5千円です。注意して下さいね。

 

 

基本給・手当て・ボーナスの関係

次に皆さんが知っているようで知らない基本給について解説します。

ボーナスと基本給の関係について

出典元:instagram

基本給とは?

求人を探していると求人票に「月給」「基本給」という項目があるでしょう。このうち「基本給」とは、月給-《各種手当(役職手当・精勤手当など)》を差し引いた金額になります。

基本給とボーナスの関係性は?

ボーナス(賞与)の欄を見ると「基本給~ヶ月分」と書かれてあり、基本給がそのままボーナスに直結すると思われる方もいるでしょう。
しかしクリニックは必ずしもこの通りボーナスを支払わなければならないという決まりはありません。雇用契約書に書いてあってもです。したがって基本給に囚われていると誤った転職をしてしまう可能性があるので注意が必要です。

ちなみに院長先生も開業時点では基本給については深く考えていないことが多いです。どこかに求人を出すときや、国から雇用に関する助成金を貰おうとするときには基本給を明確にしなければいけないので、その時になって初めて意識するようになることが多いです。

ボーナスが幾らになるかは、業績次第。

 

では基本給がボーナスに直結しないのであれば、ボーナスはどのように決まるか疑問に思われるでしょう。
ボーナスはクリニックの業績によって決まることが多いです。例えば雇用契約書に「ボーナスは基本給の1か月分」と書かれていても、業績が悪ければ1か月分貰えないこともあります。反対に業績が良ければ1.5ヶ月分、もしくは2ヶ月分出ることもあります。
このようにボーナスを決めるのは基本給ではなく、そのクリニックの業績であることを覚えておいてください。

ボーナスが「多いクリニック」「少ないクリニック」

前項でボーナスは基本給ではなく業績に影響される点を伝えました。
例えば「患者さんが多い・スタッフの数が少なくてギリギリ回してる」という特徴のクリニックですと、1か月分以上のボーナスが貰えるケースは多いです。

稀に基本給が12万円といった極端に基本給が少ないクリニックが存在します。こうしたクリニックは大抵ボーナスが少ないです。というのも経営者が人件費を抑えたいという気持ちが基本給に反映されているからです。目安として基本給が13万円より少ない場合はボーナスも少ないと勘ぐって良いかもしれません。

年俸制のクリニック。ボーナスは存在する?

月給制ではなく年俸制を採用しているクリニックも一部存在します。
年俸制の場合は一般的にボーナスは発生しません。月に貰える給与の中に予め手当てやボーナス分も含んでいるので、基本給=月給という考え方になります。
例えば「月に貰える給与が25万円、手当てなし」といった条件は、「年俸制で月に25万円貰えるけど、ボーナスなし」というパターンの可能性が高いです。

手当てとは?

前項で触れた手当てについて補足します。手当てというのは法律で定められているものではなく、クリニックが任意で決めているものです。したがってどんな名前の手当てがあっても問題ありません。例えば「衛生士手当て」「皆勤手当て」「住宅手当て」といったものがあるでしょう。

しかしただの名目上のものなので、基本給と同じく重要視するものではありません。例えば「何か手当てを作って人を募集したい」と思ったときに、「住宅手当て」という名称にしてしまうと全従業員に公平に支給しなければなりません。経営サイドとしては導入のハードルが高いので、住宅手当てを設けているクリニックは少数派です。手当てというのはその程度のものだということです。

結局トータルでいくら貰えるかが大事!

これまで基本給・ボーナス・手当てについて説明してきましたが、入社後に自分が思っていた金額とギャップが生まれるのを避けるには「いくらトータルで貰えるのか?」を事前に正確に把握しておくことが重要となってきます。

給与UPを狙ったキャリアアップ

転職時に給与を上げるためにはキャリアアップが必要です。
しかし「ここで(これを)頑張ればキャリアアップに繋がると思っていたけど、実際はそうでなかった」という残念なケースが往々にして見受けられます。ここで正しいキャリアアップの方法を理解しておきしょう。

前職の経歴がキャリアアップに繋がるとは限らない

キャリアとは元々「道」という意味を示す言葉であり、キャリアアップとは自分が働くステージを上げていくことです。しかし技術を上げていくことはキャリアアップとは別問題なのです。その理由を説明します。

【理由1】統一された指標がないので分かりづらい

例えば転職するときに、クリニックに「衛生士歴が何年あるか?」を伝えると思います。しかし衛生士歴が何年かだけでは、どれくらいのスキルがあるのかが伝わりづらいです。具体的に統一された指標がないために自分の実力を伝えるのが難しいことも多いでしょう。

【理由2】スキルが属人的である可能性がある

あるクリニックで働いているときに身に着けたスキルが、他のクリニックでは評価されないということもあります。あくまでそのクリニックのやり方に沿って身につけられたスキルだからです。

正しいキャリアアップの方法

 

ここからは正しいキャリアアップの例についてお話します。

有名クリニックで働いた経歴

 

「衛生士歴が何年か」というだけでは応募者のスキルを図るのに不十分であることは先に説明しました。しかし有名なクリニックで誰もが知る先生のもとで5年や10年働いていたなら「この人はこれくらい出来るだろう」とクリニックとしては期待しやすいです。

公演などの実績

 

クリニックによっては院内で実績が認められれば講演会のスピーカーに選ばれることがあるかもしれません。「〇〇の講演会にスピーカーとして登壇した」という事実は履歴書に書くことができ、転職時に評価されることもあります。

資格の取得

 

キャリアアップの方法として思いつきやすいのが、既に持っている歯科衛生士+αの資格を取ることでしょう。何の資格を取ってどのようにキャリアアップへ繋げれば良いか解説します。

キャリアアップに繋がりやすい資格

 

【ケアマネージャー】:例えば訪問診療を中心に行っているクリニックで働く場合、歯科衛生士の資格とは別にケアマネージャーの資格も取れればスキルアップとキャリアアップを同時に達成することができます。

【認定歯科衛生士】:外来診療のクリニックの場合だと、日本歯周病学会や日本臨床歯周病学会が設けている認定歯科衛生士の資格が同じくスキルアップ=キャリアアップとなります。認定歯科衛生士の資格取得にはまず実務経験が5年必要です。さらに自分で症例を作って発表しなければならず、発表時には歯周病学会の指導員から厳しい指摘を受けることもあります。厳しい試練を乗り越えた人だけが歯周病学会の認定歯科衛生士資格を獲得できるので、持っていればどのクリニックからも評価されます。

他にも小児歯科学会や矯正歯科学会など、各学会から認定されることはキャリアップに繋がりやすい傾向があります。

資格でキャリアアップを狙うときに気を付けること

 

資格を取得してキャリアアップを狙うのは1つ有効な方法でありますが、注意すべき点もあります。

キャリアアップに繋がらない資格もある

 

学会が設けているような取得難易度の高い資格は多くのクリニックから評価を得ることができます。しかし参加しただけで取ることができる資格は正直キャリアアップどころか、スキルアップにすらならないことが多いです。「参加しただけで取れる」というのは最後に簡単なテストだけ設けられているものも含みます。

漢字検定など一般的な資格に置き換えると分かりやすいでしょう。「漢字検定5級取りました」といって、それが就職活動で役に立つかというと誰も評価してくれません。
世の中に受けてもしょうがない資格があるのは事実であり、そのような資格ビジネスに踊らされないように注意しましょう。資格でキャリアアップを狙うときにはどれを受けるかよく考えることが重要です。

人柄も備えている必要がある

 

例えば歯周病学会の認定歯科衛生士資格を取ったあとに鼻が高くなってしまう人も一部存在します。実際に院長先生から「注文が多いよ」という声が挙がるケースもあり、そのように見られる振る舞いをしないように注意が必要です。

逆に認定歯科衛生士の資格を取るほどの実力を持ちながら謙虚であれば、院長先生からも好かれるのでキャリアアップの面でも得するでしょう。例えば後輩の育成を任せられたり、講演会の登壇者に抜擢されたりするかもしれません。それも1つのキャリアアップです。


>>もっと手取りを増やしたいのに……!給料を重視した転職もできます。

2008年に歯科衛生士専門の人材紹介会社を設立。これまで2000名を超える歯科衛生士と面談し就職先の決定に大きく関わる。関東エリアにある約2000人の歯科医院経営者より採用担当としての依頼を受ける。株式会社ヨシダや神奈川県歯科医師会より歯科衛生士の採用に関する講演依頼を受け登壇。

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