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歯科衛生士の仕事内容とは?三大業務と言われる仕事を中心に解説

歯科衛生士の仕事内容とは?三大業務と言われる仕事を中心に解説
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作成日:2023/01/19
「歯科助手と歯科衛生士の区別がつかない」
「歯科衛生士ってどんな仕事をするのだろう」
 
このように感じていらっしゃる方はまだまだたくさんいます。

歯医者に通ったことのある人なら歯科衛生士の存在をなんとなく知っていても「掃除機を吸う人」「看護師さん」などと言い、歯科衛生士の認知度の低さを痛感します。
 
そこで今回は至って基本的な歯科衛生士の仕事内容について詳しく解説していきます。

歯科衛生士の仕事内容とは

歯科衛生士の仕事内容は、歯と口腔の健康の増進、治療への診療補助、継続的な歯科保健指導、摂食・嚥下機能の指導管理、高齢者や介護者への口腔ケア、地域の歯科保健サービスなど多岐にわたります
 
歯や口腔など歯科医学に関することだけではなく、全身疾患などの医学的な知識、臨床を行なうための技術力、患者さんたちとのコミュニケーション、歯科保健指導を行なうための行動変容を促す知識、介護や社会福祉の知識、地域への啓蒙活動に関することなども求められます。
 
一般開業医でも地域密着型なのか、都心にあるビジネスマン中心の歯科医院なのか。小児、高齢者、矯正、歯周病、インプラントなど何に特化している医院なのか。
病院、一般開業医、介護施設、保健センターなどどこに就職するかでも仕事内容は違います。

歯科衛生士の三大業務

 

1948年にできた歯科衛生士法によると【この法律において「歯科衛生士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、歯科医師の指導のもとに、歯牙及び口腔の疾患の予防処置として次に掲げる行為を行なうことを業とする者をいう】とされています。

 

一般的に歯科衛生士の三大業務は「歯科予防処置」「歯科診療補助」「歯科保健指導」です。
これらは切り分けられたものではなく、同時に行われることも多いのが特徴です。

ただ歯石を除去するだけではなく、歯石をつかないようにするセルフケアの確認(歯科保健指導)も一緒に行うことになります。

歯科予防処置

歯科衛生士の仕事によっては、看護師などほかの職種の方が行えるものもありますが、歯科予防処置だけは、歯科医師や歯科衛生士のみが行なうことができる処置になります。
 
①付着物および沈着物の除去

「付着物および沈着物の除去」とは、歯面や歯肉縁下に付着するプラークや歯石などを除去するスケーリング・ルートプレーニング、歯面などを再沈着しないように研磨するPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)を行なって、歯科疾患を予防する処置です。
 
スケーリングとは、スケーラーと呼ばれる器具を用いて、歯面に付着した沈着物を除去します。
ルートプレーニングとは、細菌の内毒素などで汚れた病的セメント質・軟化象牙質を最低限のみ除去して、再沈着しないように根面を滑沢にすることです。
 
歯は歯ぐきを境目にして、歯肉縁上、歯肉縁下に分けられます。
歯冠か歯根かによっても硬さが異なり、沈着するものも変わってきます。

また、歯肉縁下は目には見えない歯ぐきのなかを触るようになるので、解剖学的な根面の形を理解して想像できるようにしておかなければいけません。
 

②薬物の塗布

予防処置とは、沈着物を除去するだけではなく、予防するために薬物を塗布することも含みます。
歯科予防処置の薬物塗布は、むし歯予防のためのフッ化物歯面塗布や小窩裂溝填塞などです。
 
フッ化物は歯磨剤にも含まれているものですが、歯科で扱われているものは濃度が高いのが特徴です。数ヶ月に一度、高濃度のフッ化物を塗布したり、治療が難しい小児や高齢者にむし歯が進行しないようにする薬物を塗布したりすることもあります。
 
小窩裂溝填塞とは、歯の溝を埋める処置のことです。乳歯から永久歯に歯がはえかえったばかりの頃はとても弱くむし歯になりやすい特徴があります。また、溝が深いことで歯ブラシが届かないため、溝をなだらかにするために行なっていきます。
 

歯科診療補助

1955年に歯科衛生士業務のなかに歯科診療補助が加えられました。

歯科診療補助とは、歯科診療をスムーズに行なうために補助する業務をいいます。

歯科医師が診療を行うときにすべてを一人で行なうことはできないので、歯科助手・歯科衛生士などがサポートします。
 
初診で患者さんが来院されたときには、必要事項を記入してもらい、保険証を預かって受付を済ませます。
医療面接を行なって、診査診断していきます。このとき歯科衛生士は、歯式を記入し、歯周ポケットを測定するなどの検査を担うこともあります。
レントゲンの撮影ボタンは押せませんが、撮影するための準備や導入までを行います。
 
治療が始まってからは、治療や手術がスムーズに進むために、使用する器具・機材を準備。
そして、治療が進むにつれて器具を歯科医師に手渡すなどの治療のアシスタントをします。
唾液や血液が出てきたときには口腔内バキュームで吸引。
これらを効率よく行なうには、術式の流れや治療の注意点、疾患の知識などを十分に理解しておく必要があります。
 
治療が終わってからは器具を片付けて、ユニットを清拭し、器具類を洗浄・消毒・滅菌していきます。
感染対策をするために、清潔域・不潔域を明確にしておくことも重要です。
 
共同動作を行なうには、術者・補助者・患者の位置関係を考えて、器具の特徴によって渡し方や渡す場所を考慮します。
患者さんの顔の上など禁忌エリアもあるため、気をつけましょう。
バキューム操作を行なうにもテクニックがあり、粘膜の特徴を理解して、患者さんに不快感を与えない方法を事前に学んでおきます。
 
仮封剤の除去や充填物の研磨、セメントの練和、印象材に石膏を盛るなども歯科医師の指示のもと行なうことがあります。
歯科助手は口腔内を触ることができないので、診療補助のなかでも口腔内に触れる業務は歯科衛生士が行います。
 
そのほか、偶発事故を防ぐための対策として、全身疾患をもつ患者さんへの体位を考慮し、血液感染予防対策などもしておきます。

歯科保健指導


世の中の方々の健康を維持するために、生涯にわたって継続的に関わっていくことが大切です。

健康な人、健康だと思っているが実は病気予備軍の人、病気の人などに対して、疾患のリスクを早期に発見して予防を促すためのアドバイスを行います。
 
口腔の病気は全身疾患ともつながりが深いため、子どもから成人、高齢者に関することへの理解を深めて、健康的な生活ができるような知識を身につけていきます。
 
健康に対するアドバイスだけではなく、健康的な行動を維持できるような声がけや、無関心の方に興味を持ってもらうなど行動変容を促すための知識も必要です。
問題点を分析して、原因を解明し、本人のやる気を引き出すようなコミュニケーションを行います。
 
特に歯科は生活習慣病との関わりも深いので、禁煙指導や食習慣アドバイスなど、全身から健康になるための助言をしていきます。
 
①個人に対する歯科保健指導
一般開業医では、個人に対して歯科保健指導を行なうことが多いです。さまざまな年代の方と一対一で会話をしていくため、コミュニケーションスキルが求められます。
自分と相手の年齢や会話のスピード、興味のある話などあらゆることを考えて、上手く会話をつくっていくことも大切です。
 
歯科保健指導を行なうには、まずは患者さんの情報を収集することからはじまります。
家族構成や環境、仕事内容、生活習慣、口腔内の状況などカウンセリングを通して少しずつ情報を得ます。

そこから患者さんに合う方法を考えて指導を行なっていくのです。
 
②集団に対する歯科保健指導

個人にとどまらず、集団に行動変容を促すこともあります。
患者さん向けの院内セミナー、学校、職場、地域などで集団に対して歯科に関することをお伝えしていきます。
 
集団全体を対象とするポピュレーションアプローチ、リスクの高い人向けにリスクに応じた指導を行なうハイリスクアプローチなど必要に応じて対応します。

併用することで効果が上がることも上がります。
 
そのほか、分煙のための施設づくり、健康情報提供や仲間づくり、メタボリックシンドローム対策への情報提供などもあります。

 
以上のように、歯科衛生士の仕事は多岐にわたって行われています。

妊婦、赤ちゃん、小児、成人、高齢者などさまざまな年代の方、健康な方から病気の方たちの健康へのサポートをしているのです。

関連情報:歯科衛生士の業務でやってはいけない5つのこと

また、本記事をお読み頂いている方には歯科衛生士としての勤務経験がない新卒の方も多くいらっしゃるかと思います。

新卒の方に伝えたい歯科衛生士の仕事や給与に関する本音は以下の記事に書いていますので、ぜひ併せてご覧になってみてください。

>> 新卒の方に伝えたい!歯科衛生士の仕事に関する本音を現役歯科衛生士が総まとめ。自身の経験を元に給与や仕事内容に関する本音を語ります


 

歯科医院で歯科衛生士をしながら、歯科メディアにてライター・動画編集者としても発信活動中。

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