歯科衛生士は産休・育休でや退職をする方が多い職種の一つでもあります。
「妊娠・出産・育児」の間にいくらもらえる? 職場復帰しないとどうなる?
答えづらい疑問を1つずつ解説します。
歯科衛生士が「妊娠・出産・育児期間」に取れる休みは3種類あります。
- * 産前休業:出産日以前42日間(双子以上の場合は98日間)
- * 産後休業:出産翌日から56日間
- * 育児休業:産後休業~子どもが1歳になる誕生日の前日まで
知らなきゃ損!もらえる「3つのお金」
休業期間中に受け取れるお金は大きく3つあります。
出産育児一時金・出産手当金・育児休業給付金です。
1つずつ見ていきましょう。
① 出産育児一時金
出産時にもらえるお金です。原則42万円がもらえます。(1児につき)
出産育児一時金が貰えるように、医療機関が手続き補助をしてくれるケースがほとんどです。
※本人を通さずに「健康保険 → 医療機関」へ直接支払われます(直接支払い制度)。
【対象者】 | 一律 |
---|---|
【支給額】 | 42万円 |
② 出産手当金
産休中にもらえるお金です。(産休中 = 産前42日 + 産後56日)。
出産のために会社を休みその間給料を受け取れなかった場合、健康保険から手当金が支給されます。支給額は「被保険者の標準報酬日額× 2/3」の金額になります。
【額面給与額】 | 30万円 | 28万円 | 25万円 | 22万円 |
---|---|---|---|---|
【支給額】 | 653,366円 | 609,560円 | 566,400円 | 478,926円 |
③ 育児休業給付金
育休中にもらえるお金になります(育休中 = 産後57日 〜 子どもが1歳になる前日)。この期間中に雇用保険から給付金が支給されます。
支給額は「給与額の50%」の金額になります。(育児休業開始から180日間は67%)
【額面給与額】 | 30万円 | 28万円 | 25万円 | 22万円 |
---|---|---|---|---|
【支給額】 | 1,821,000円 | 1,699,537円 | 1,517,437円 | 1,335,337円 |
手当をもらうための条件は整ってますか?
① 出産育児一時金
産休開始時に健康保険に加入していれば誰でももらえます。
(健康保険に加入していなくても配偶者の扶養に入っていれば支給対象です。)
② 出産手当金
産休開始時に健康保険に加入していれば誰でももらえます。
③ 育児休業給付金
雇用保険に育児休業を開始日前2年間に、被保険者期間が12ヶ月以上あればもらえます。
(11日以上勤務した月が 12ヶ月以上ある方です。)
※1ヶ月の出勤日が少ない人や、入社して1年以内の人などは注意が必要です。
※該当する2年の間に、第1子の育休や本人の疾病による休職期間がある場合は救済措置がとられています。
※有期契約社員(期間の定めがある)の場合は、以下条件を満たしていることが必要です。
→同じ会社で1年以上雇用されている。かつ、子供が1歳6ヶ月になるまで雇用契約が終了しない。
転職したい人必見! 返還義務はありません
いざ職場復帰が近づいてきた。しかし育休中の様々な心境の変化などにより復帰せずに退職したい。
するとお金はもらえなくなってしまうのでしょうか?
すでに支給されていた場合、返還の義務はあるのでしょうか?
結論からいうと、「育児休業給付金、出産手当金、出産一時金」3つ全て返還の義務はありません。1つずつ見ていきましょう。
① 出産育児一時金
② 出産手当金
復帰を前提とした制度ではないので、受給後に退職しても不正受給ではないので、返還義務はありません。
③ 育児休業給付金
復帰を前提とした制度になります。しかし、職場復帰するつもりでいたのに、様々な事情で復帰できなくなることはやむを得ません。
そのため不正受給とはならずに返還義務はありません。
同じ職場に復帰しなくても、期間中に給付されたお金は返却しなくてもいいのです。
そう。極論ですが他のクリニックに転職してしまっても問題はないんです。
歯科衛生士が「産休・育休」の取得明けに「職場復帰」する。
すると職場で上手くいかないケースが多いんです。
どうしても、復帰後はお子さんの急な体調不良などで「遅刻・早退・休み」が増えてしまいがちです。すると次第に同僚の衛生士から
「あの人同じ給料をもらってるのに何?」
という不平・不満が出始めます。人間関係が円滑にすすまなくなり、やがて仕事に支障をきたす。
もし職場復帰して、問題ナシに上手くいくとしたら「自分と同じ境遇の衛生士が働いている」事が大切です。
同じ子育て中の同僚がいれば、自分だけがフォーカスされることもなく、また育児への理解も進んでいるのでスムーズに働きやすいです。