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働き方と環境

歯科衛生士の離職率が高いワケ

歯科衛生士の離職率が高いワケ
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作成日:2019/12/05
なぜ、歯科衛生士の離職率は高いのでしょう?

わが国の「有効求人倍率 = 1.36倍」に対して、歯科衛生士は「有効求人倍率 = 20倍以上」の地域もあるようです。 ※歯科衛生士の勤務実態調査:平成28年度

そんな状況下に置かれると、 『辞めようと思えばすぐ辞められちゃう。だって超売り手市場なことはわかってるから、次の就業先には全く困らない・・・』

『だから、「いつでも辞められる」っていう意識がどこかにあるのかもしれない。こっちは選ぶ立場なんだっていう思いも強いかも。』 なんて気持ちで日々を過ごしているケースも多いかもしれません。

人間関係をメインとした職場環境の悪さが離職の大きな原因に

 


 

離職のキッカケになる第1位の理由は、「職場環境(院長・スタッフとの人間関係)」にあるようです。

一体クリニックでは何が起こっているのでしょうか? 具体的な事例をみていきましょう。


・患者さんに見せる顔と、スタッフに見せる顔が全然違う
自費で高い治療費を払う患者さんには最大限の笑顔を振りまいて、裏ではスタッフに暴言を吐く

・歯科助手と同じ扱いをされる
歯科衛生士は、学校を卒業して国家資格も取得しているのに、資格の無い歯科助手と同じ扱いをされる事でモチベーションが下がる

・院長が俺様タイプ
患者さんを守れるのは、先生と衛生士、お互いがチームになってこそなのに、そこに気づいていない。

・保険点数をごまかす
歯科の保険点数が低いのはわかってるけど、やってもいない治療を上乗せして請求しているのを見ると心が痛む。内部告発も考えてしまう。

ちなみに、2位は「労働条件への不平・不満(給料・休日/休暇・労働時間・福利厚生)」、3位は「採用のミスマッチ(教育・研修システム・新人教育の有無)」でした。

転職を繰り返すことは、けっこう危険なんです。歯科衛生士は、年齢と正比例して就業率が低下していく傾向があります。

他の職種では子育てが一段落すると職場復職をする傾向が見られるのですが・・ そう考えると、20代の頃から歯科衛生士として「スキル・研鑽」をしっかり積める職場で働くことが、先々を考えた上で「最良の選択」であることは言うまでもないでしょう。


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離職率が低い職場の傾向とは



 
ここまでは離職率が高い職場の特徴について紹介してきましたが、逆に、離職率が低い職場にはどのような傾向があるでしょうか?

スタッフがほとんど辞めない歯科医院も中には存在するのですが、そうした歯科医院に共通する特徴について見ていきましょう。
 

人間関係が良好である

先述の通り、退職する理由のダントツ一位は「人間関係のもつれ」です。

院長先生、お局スタッフ、同期、先輩後輩など、小さい空間のなかで合わない人間がいると大変ですよね。
人間関係が良好で、職場を乱す面倒な人がいない職場は離職率も低いと言えます。

また、”職場のなかで相談できる人がひとりでもいる”というのも良好な精神面を保つ上で重要です。
 
ただ、そうはいってもすべてにおいて仲良しこよしというわけでもありません。
飲み会が多くて誕生日会があるような職場は、気が合えば楽しいのですが、必ずしもよいとは言えないからです。

人間関係が良い職場はどちらかというと過度に公私混同させていない所の方が多いでしょう。

仕事のときは仲が良く、プライベートはそれぞれの時間を大切にするといった、ある一定の距離感があるほうが仕事をしていても上手くいきます。

そういった職場は嫌なストレスがないため、辞めたくなる人も少ない傾向があるように思えます。
 

有給消化ができる
(取りやすい)

スタッフの人数がギリギリだと「休みたいと言い出すのが気まずい」といった状況はよく起こります。

そんな中100%消化できる歯科医院は貴重な存在。よって離職率も低くなる傾向にあります。
   
自分の時間も大切にできると「その分、医院のために頑張ろう」と意識も芽生え、お互いにとってよい結果をもたらします。
 
有給は労働者の権利。スタッフファーストで考えてくれている院長先生はスタッフからも愛されています。
そんな先生が経営する職場は、人間関係も自然と良くなる傾向にありますし、辞めたい気持ちになる人が少ないようです。
 

給料がよい

結果を出せる歯科衛生士にはきちんと見返りがあるような仕組みを作っている職場は、離職率も低いでしょう。

自分の働きと給与が見合ってないことや昇給が見込めるかわからないなどお金に関する疑問を抱きはじめると、仕事のモチベーションはどんどん下がってしまいます。やる気がなくなると大したことない理由で辞めてしまうことも。
 
歯科衛生士の友達同士で給料について話すこともありますが、他の人に比べて給料がよいと多少の不満があったとしても軽く受け流すことができます。
 
ゲンキンな話かもしれませんが、やはり仕事はただ単に”好き”といった気持ちだけでは越えられない壁があるようです。
   

産休育休が取りやすい

産休育休が取りやすい環境も人が辞めづらいでしょう。
 
歯科衛生士は女性がほとんどのことから、結婚や出産を機に退職する人が多いですよね。
これは、産休育休の環境が整っていないことが原因のひとつ。
つわりなどの体調不良や子どもの風邪などで急欠がやむを得ない場合でも、少ない人数でまわしている歯科医院は代わりの人材がおらず休むことができません。よって、働き続けることが困難なのです。
 
急な休みに対応できる環境が整っていると安心して働き続けることができますし、また、短時間勤務制度があると家庭とのバランスがとりやすいですよね。
 
上記のことを叶えるには院長先生はもちろん、職場内での理解度が高いことが求められます。
一部のスタッフに負担がかかると不満にも繋がるため、お互い様の関係で困ったときに助け合えるチームワークができていると恵まれた職場と言えるでしょう。
 

歯科衛生士としての業務を
まっとうできる

胸を張って「歯科衛生士です」と言える仕事内容であることも重要です。

”レントゲンのスイッチを押すこと”や”度の過ぎた診療補助業務(補綴物の調整や歯の切削)”などは法的にいけないことですよね。

歯科衛生士の業務を行っていると不安な気持ちに襲われた状態で働くことになります。
 
そういった仕事内容では「やらされている感」が出てしまい、自発的なやる気は起きず、ストレスがたまる一方。仕事の効率も悪くなります。

仕事に対するモチベーションも下がるため、やめる歯科衛生士が増えてしまうのです。
 
自信を持って歯科衛生士らしい仕事ができる職場も離職率は低いでしょう。
 

仕事にやりがいがある

最後に、仕事にやりがいがあることも重要です。
 
条件だけが良くても、不満だらけで目の前のことを淡々とこなすだけでは楽しくありません。患者さんから感謝されたり、周りのスタッフから頼りにされたりするとモチベーションがあがり、生活に充実感がでます。
 
成長していける、能力が発揮できる、人の役に立てるなどが感じられると続けていきたいと感じられるようです。職場に尊敬できる先生や先輩、後輩がいるのも刺激を受けることができます。

まとめ




いかがでしたでしょうか?

今もしあなたが歯科衛生士として働いているとしたら、今の職場はどの程度離職率が低い職場の特徴に当てはまっていますか?

もちろん、あまり転職を繰り返すのは決して良いことではありませんが、あまりに劣悪な労働環境や人間関係はスキルアップを目指す上でも時に弊害になってしまいます。

今のうちにスキルアップを目指し、長く働ける職場に就職したいという方は、お気軽にご相談ください。
 

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2008年に歯科衛生士専門の人材紹介会社を設立。これまで2000名を超える歯科衛生士と面談し就職先の決定に大きく関わる。関東エリアにある約2000人の歯科医院経営者より採用担当としての依頼を受ける。株式会社ヨシダや神奈川県歯科医師会より歯科衛生士の採用に関する講演依頼を受け登壇。

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