歯科医師が開業に必要なスキルとは？

 

歯科医院の運営に関するスキル

 

人材管理のスキル

歯科医師が開業するにあたって人材管理スキルは切っても切れないもの。歯科医院の運営で最もお大きな課題の一つは人材不足でもあるのです。

もしもスタッフ同士の不和やコミュニケーション不足がきっかけで退職者が増えたり、そもそも人が集まらなくなってしまうと、スムーズな歯科医院運営は極めて難しくなってきます。
雇用される側では他スタッフとのコミュニケーションに問題があっても、何とかやっていけますが、開業し自分が院長という立場になると、そうはいきません。

また、スタッフのモチベーションを上げるためのコミュニケーションスキルも必要になってきます。
他の歯科医院や企業の経営者と交流を増やし、実際の現場でどのような人材管理をしているのか聞くことで知識を深めるのも効果的です。

 

マーケティングやブランディングスキル

集患をするにあたりマーケティング戦略は非常に大事なスキルになってきます。

ウェブサイトの最適化やSNSを活用したマーケティングは今の時代と非常に効果的と言えます。特に歯科医院の場合は地域密着で運営していくことが多いため、SNSは集患という面で相性がいいです。

facebookやX（旧Twitter）、Instagramなど、日常的に触れている人であれば抵抗感なく始められますが、どんな投稿なら興味を持ってもらえるかなど知るために、事前に登録して触れておくことで開業後のスムーズな集患に役立ちます。

また、マーケティングやブランディングに関しては、専門的な知識を要するため事前に関連セミナーや研修に参加することで、スキルを磨いておきましょう。

法律や財務に関するスキル

 

医療法律の知識

歯科医院を開業するにあたり、正しく医療に関する法律を理解することは必須スキルです。
・患者の権利に関する法律
・医療事故に関する法律
・適切な運営に関する知識

など覚えるべき法律は多くあります。

これらの法律については勤務医時代から
勤務先の歯科医院で開催される法律研修セミナーへの参加や、同僚や先輩歯科医師と実際の臨床現場での法律的な問題点や疑問点を共有することで実践的な法律知識を深めることができます。

そして、開業に必要な資金を調達するために、概算事業計画書を作成してみましょう。自分の医院を開業するためにどれくらい資金がかかるのか、借入はどれくらい必要なのか、といったことを算出できるため、より具体的に開業準備を進めることができます。

また、会計や財務といった歯科医院を健全な状態で運営するために必要な知識を覚えておくために、損益計算書（PL）、賃借対照表（BS）、キャッシュフロー計算（CF）あたりの財務諸表の見方は分かるようにしておきましょう。

 

医療ミスやクレームに対する対応スキル

どんなに細心の注意を払っていたとしてもクレームを０にすることはできません。
クレームを起こさないことも大事ですが、起きた後も重要になってきます。

ポイントは3つ。

①先輩や院長の意見を求める
クレーム対応の経験者の意見やアドバイスは積極的に聞きに行きましょう。また、先輩がどのように患者さんに耳を傾け対応しているのかも見て学びましょう。
患者さんからのフィードバックを受け取る姿勢は、意外に練習が必要です。

②リーダーシップについて学ぶ
全て自分がクレームを受けるとは限りません。場合によっては受付や歯科衛生士が受けることもあります。そうなった時にリーダーシップを試されることも。この時に今起きている問題を瞬時に理解し対応するスキルが開業医に求められます。

③共感力を高める
これはクレームに限ったことではありませんが、共感力を高めることはクレーム対応にも役立ちます。患者の立場に立って物事を考えることで、クレーム発生時に患者と適切な温度感でコミュニケーションをとることができます。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
歯科医師が開業を目指す場合、歯科の技術的なスキルだけではなく、運営するスキル、財務スキル、マーケティングスキルなど、多くのスキルが必要になってきます。

勤務医として働く中でも培える経験は多いので、開業を一つのゴールと考えている歯科医師の方は、ぜひご紹介したスキルを意識しながら診療してみてください。