時代の流れなのか…。歯科医師に内科医的な視点からの知識が求められるようになりました。この背景には要因が“2つ”考えられます。
①患者さんの高齢化
②歯周病の重要性が高まっている
高齢の患者さんは、複合的な疾患を抱えている方が多い。歯科の知識だけでは対応できないことも少なくありません。
「口が乾くのじゃ。」「味がおかしいのじゃ。」などの訴えを抱え、診察に来たとき。
その訴えの本質的な原因には、常用してる「薬」の問題が隠れてたりします。
そんな時、浅はかな知識で「付け焼き刃」な対応しかできないと、信用を落としかねません。
内科医的な知識がしっかりあると「○○な薬を飲んでませんか?」と適切な助言を与えることができます。
そうすると患者さんは、「この先生に任せておけば安心じゃ。」と歓喜し、信頼を寄せてくるでしょう。
歯周病は、世界的に重要性を再認識する流れが起きています。
これを決定的にした1つには、「ハーバード大学:Donald B. Giddon臨床教授(口腔生物学)」がアメリカ歯科医師会の機関紙『JADA』に寄せた論文があります。
その論文の中で、教授は「歯科医師は口腔内科医(オーラルフィジシャン)を目指すべき」という発言をしてます。これに歯科医師の多くが熱狂し一大ムーブメントになりました。
日本では日吉歯科診療所のDr熊谷が、オーラルフィジシャンを国内に広げようと、精力的に活動を行っています。
歯周病患者さんの中には、全身疾患を目的とした来院をする方もチラホラ。 インターネットで情報収拾して、自分の疾患の原因を突き詰めて考える人も多いでしょう。
「私にはわかりません。涙」とエクスキューズをしていると、患者さんからのリスペクトを失うこともあるでしょう。
出典元:instagram
ここから、歯科医師に本当に求められる「内科的知識」とは何か?について考えてみたいと思います。
日本では口腔内科という分野が確立しています。口腔内科とは「口腔内疾患に対し、内科的に治療する診療分野」と定義されます。
具体的には、口腔外科で扱ってきた疾患に内科的処置を施すものです。
この口腔内科の知識こそ、この時代が要請する「内科的知識」といえるでしょう。
「内科医と同じくらい勉強しないといけない?」
「日々、“削ったり・抜いたり”で忙しいのに?」
『自分の手に負えない症例。それを見定めるようになること』
これが大事です。できること/できないこと。線引きをキチッとする。
自分には難しい…と感じたら、すぐに適切な専門医療機関を紹介する。
内科医的知識は、最低限幅広く身につけて、ソノ場ソノ場で適切な対応を取る。これからの歯科医師には大切なスキルでしょう。
参考文献:アポロニア21