前回までは歯科業界の求人市場や実例について解説しました。
今回は【歯科衛生士が求める条件】について具体的に解説させて頂きます。
応募が来ていない歯科医院の特徴としては、現在の相場感からずれている条件を提示している場合が多いです。
競合クリニックと比較して劣っていると求人の中身をよくしても効果は薄い傾向にあります。
条件面のポイントをを押さえることで採用成功に近づきましょう。
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歯科衛生士に選ばれる条件面
給与
POINT
妥当性を追求するのではなく、自身の頑張りが評価されると感じられる給与設定が好ましいです。
・一都三県では新卒25万円、経験者(3年以上)は27万円以上が一般的です。この水準以下の場合は、他にストロングポイントが必要です。
・賞与は基本給ベースで夏1ヶ月、冬1ヶ月が平均的です。基本給が新卒18万円、経験者20万円以上が一般的です。
・残業代は1分単位で支給するのが現在のトレンドです。固定残業代の場合、相場より高い給与設定にすることが好ましいです。
・昇給は5,000円が一般的です。
勤務時間
・週40時間の設定にしているのが一般的です。週44時間労働の場合は見直す必要があります。
・応募が集まりやすい求人は18:30まで診療が一般的です。遅くとも19:00までの診療時間で退社時間は19:15頃がよいです。早い退社時間は採用の際に大きなアドバンテージになります。
※退社時間が遅くなる歯科医院は、週37~38時間労働となるシフト制も検討の価値はあります。
・週休3日制の場合は19:30以降の診療でも受け入れられます。
休日
・毎週日曜出勤は90%以上の歯科衛生士が拒否しますが、月に2日以内であれば【他の条件】次第で受け入れる歯科衛生士が多いです。
※日曜は午前中のみ診療など
・日曜および祝日出勤を気にしない歯科衛生士には、希望する休日を前月に指定できる【シフト制】が好まれます。希望休があるとより好まれます。
・診療時間20:00までの週休2.5日は人気がなく、隔週週休3日制の方が人気があります。
・祝日がある週の振り替え出勤を嫌がる歯科衛生士は多いです。
※振り替え出勤がある際は、有給の消化を緩和するなどして、金銭ではなく【休み】によって補う必要があります。
立地
アクセスが良くなくバス利用や10分以上の徒歩移動が必要な歯科医院は工夫をする必要があります。
・駅から徒歩10分以上の歯科医院は自転車の貸し出しありで補う。
・それでも集まらない場合は、家賃補助や引っ越し代を負担し、地方からの上京者に狙いを定めると良いです。
※住宅手当は給与とは別途で、3万円以上あると応募率が向上します。
・引っ越し費用の負担は1~2万円ではなく10万円~全額補助が有効的になります。
交通費
基本的に全額負担が好ましいです。15,000円までなどの規定は応募率を下げる原因になります。
・車通勤の場合はガソリン代+駐車場の無料貸し出しが一般的です。
保険
近年は社保完備はほぼ必須ともいえる希望条件です。
・最近では厚生年金加入が普通になりました。
そのため、今までは歯科医師国保、厚生年金を気にしなかった歯科衛生士が協会けんぽ、厚生年金を好んでいる傾向にあります。
・社保加入を検討するか給与など他の条件で補う必要があります。
最後に
全ての項目が基準値以上になっていることが好ましいですが、そのようにいかない場合も多いかと思います。
マイナスな項目が出てしまった時は他のところでプラスに変えていくことが一番の有効打です。
地域により誤差がありますので、guppyなどで競合クリニックがどのくらいの条件面で求人を出しているのかを確認し、自院のマイナスポイントとプラスポイントを知るところから始めることをオススメします。
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ライター
転職カウンセラー
旭化成ファーマ株式会社にてMR職として多くの医療現場での知見を積んだ後、2010年よりデンタルハッピーに参画。
歯科衛生士専門の転職カウンセラーとして日本で3番目に多くの歯科衛生士の転職をサポートした実績。
職場における人間関係の改善をフィールドワークとする。