今回はそんな「なかなか成長しないスタッフ」について、新人を育てる3つのノウハウをお伝えしていきたいと思います。
新卒を迎え入れた場合はもちろん、組織力を強くしたい歯科医院もぜひご覧ください。
成長が遅いスタッフを育てる3つのノウハウ
相談しやすい環境を作る
『自分で考えて!』
『考えながら動いて!』
院長としてスタッフを見ていると、時にはこのように思うときもあるのではないでしょうか?
確かにこの考え方は社会人である以上、必須の能力と言えます。しかし、この能力をスタッフにも求めてしまうと、定着率が下がって行きます。
それはなぜでしょうか?
通常、【考える力(思考力)】がある人は成長のステージにおいては、高いレベルに達している人と言われております。
これから成長する人に対して考える力を求めてしまうと、パンクしてしまうのが必然です。
そのため、新しいスタッフが入社した際にまず最初にすべきことは、スタッフ1人1人がどんなマインドで仕事をしており、何に悩み、どんなポイントに躓いているのかをしっかりと把握する事です。
特に出来ないスタッフに対してはコミュニケーション量を増やす事が重要です。ある一定のレベルまではコミュニケーション量に比例して相互理解は深まります。
成長が遅いスタッフ(遅いと見なしているスタッフ)の多くは、相談する事が下手です。
・相談せずに自分で判断をして失敗する。
・失敗をする事を恐れ周りの目を気にしすぎるため、無駄にテンパる。
・常に空回りを続ける。
・周りから受け入れられていないと感じ、さらに相談が出来なくなる。
これは非常によく見る悪循環のケースです。
元々テンパりやすいタイプの方が【出来ないレッテル】を貼られやすく、このタイプは対応を誤ると勝手に焦りどんどんドツボにハマります。
この状態に陥っているスタッフを改善させるためには、『あなたの事をみんなが受け入れてますよ!』というメッセージがしっかりと伝わり、自身でも受け入れられているという実感を得られない限りは難しいと言えます。
自分の居場所を確保できて初めて、成長の階段を先に進めるようになるのです。
女性のマネジメントにおいて一番大事なのは、安心できる空間を創り出する事とも言えるのです。
共有のマニュアルを用意する
出来ないスタッフが出来ない理由は主に2つあります。
① どうやれば良いのか分からない
② できた事を継続出来ない。
仕事を教える際に、その都度その都度で教えるとなると非常に効率が悪いです、そしてドクター、歯科衛生士によってやり方や伝え方も異なります。
その結果、出来ないスタッフは誰が言ったことが本当に正しいのか分からず、混乱し、いつまで経っても出来る様になりません。さらに教えてもらったやり方でやっても、そのやり方自体が他の先輩スタッフとやり方が違った場合、違うやり方でやっている=ミスとして捉えられてしまい、「教わったやり方でやったのに…」とモチベーションが下がってしまいます。
マニュアルには業務効率化と指示に一貫性を持たせる役割があります。全体の流れが把握できるような作りにすることが重要になるのです。
全体の流れがつかめると焦って混乱する事も少なくなり、出来ないスタッフも少しずつ分かる様になって来ます。
全ての業界に当てはまりますが、いつまで経っても出来ないスタッフの特徴として、自分自身に自信がなく、成功体験が無い点が挙げられます。
まずはマニュアルを通して業務を覚えていくことで、小さな小さな成功体験を積ませて行く事が必要なのです。
※積極的で創造力が高い人ほど、マニュアルに拒否反応を示す傾向があるので、その点は理解しておきましょう。
目標設定をする
『現実的に達成できるが良い・・・』
目標の立て方は様々ですが、成長が遅いスタッフに関していえば
『現実的に達成可能な目標設定』をすることが重要です。
それは何故でしょうか?
成長が遅いスタッフの方は基本的に自分に自信がありません。そのため、まずは自分でも出来るんだという自信をつけさせることが必要です。(自信のつけさせ方=自己有能性についてはコチラの記事もご参照ください)
自信がつけば自分で考えて行動する原動力にもなります!!
目標は1日、1週間、1ヶ月単位など分かりやすいものが良いです。繰り返しになりますができない目標を立てないことが大事です。
例えば今日はここまで覚えよう!1週間でこれとこれは覚えようなど、小さな目標を与え成功体験を反復させることにより成長を体感させること重要です。(目標の立て方についてはコチラのオンボーディングに関する記事でも解説をしていますので、ぜひご覧ください)
女性は自己認知欲求が男性よりも高く、自分が必要とされていると感じることで、モチベーションを上げることが科学的にも証明されております。
大小関係なく何かを達成した時は全力で褒めてあげてください。
逆にもし目標が達成できなかった時には、落胆するのではなく一緒に何故出来なかったのかを考えてあげて下さい。院長が強いリーダーシップを持って、成長を導いてくれる姿を見せる事が重要です。
スタッフ育成は指導者とスタッフとの信頼関係の結果と断言できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。成長が遅いスタッフはどこの医院でもいるもの。それをただ「成長が遅い人だから」と見限ってしまうのは組織を作っていくうえでも非常に勿体ないものです。
成長が遅い人には遅い人に合わせたマネジメントをすることで、どんどん能力を伸ばすことが可能なので積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。