「歯科衛生士が目指すダブルライセンスって何がある?」
「資格を取って仕事の幅を広げたい」
このようにお考えの方向けに、歯科衛生士におすすめのダブルライセンスを国家資格・民間資格を含めてご紹介していきます。
ダブルライセンスを持っている唯一無二の存在は、経営者も手放したくないはずですので、希少価値が高くなり、より良い条件で働くことができますよ!
たとえば、歯科衛生士と管理栄養士の資格を持っていた場合、現場以外でも歯科衛生士向けに栄養学の講師や執筆の依頼が来ることもあります。管理栄養士向けへの歯学なども然り。
ただ、ハードルが高いほど求められるようにもなる反面、国家資格を取得するには、金銭的・肉体的負担が大きいことも。
そこで今回は、それぞれの資格の取得のしやすさや費用面も含めて解説します。
歯科衛生士におすすめのダブルライセンス「国家資格」
歯科衛生士の資格を持っていながら、他の資格を持つことをダブルライセンスと言います。
キャリアアップや転職で有利に働きますが、組み合わせを考えておかないと上手く活かすことができません。
歯科衛生士との組み合わせが良い資格は何があるのでしょうか。
歯科技工士
歯科衛生士と歯科技工士とのダブルライセンスで活躍している「小林明子さん」は有名ですよね。
小林さんもそうですが、歯科技工士とのダブルライセンスを持っている人のほとんどが、歯科技工士学校を卒業した後に歯科衛生士を目指しています。
診療所で技工物の形態や特徴を理解した上で、歯科衛生士としてメインテナンスでケアしていけるのは最大の特権。
歯科衛生士として口腔内の状況を理解した人が技工物を作製できるのも、長期的な保存に繋がっていくのでメリットばかりです。
歯科技工士は、歯科技工士教育機関に入学し、2年以上学んで知識と技術を習得すると国家資格を受けることができます。
2年制、3年制、夜間3年制の専門学校・短大、4年制の大学で学ぶことができ、技工士学校は全国に53校あります。合格率は95%台なので試験の難易度は高くありません。
言語聴覚士
言語聴覚士とは、話す・聞く・食べるのスペシャリスト。
病気や事故、発達の関係でことばのコミュニケーションや摂食嚥下に問題がある人に支援する専門職です。 言語聴覚士が行うリハビリテーション医療は、医科・歯科などの医療職と、保健・福祉の専門職との連携が大切。
歯科衛生士とのダブルライセンスを持っているとチームを連携させる橋がけとして活躍していくことができます。
言語聴覚士になるには、3〜4年制の専修学校・短大・大学か、一般の4年制大学を卒業した後に2年制の大学・大学院の専攻科・専修学校で教育課程を経て国家資格に合格しなければなりません。
合格率は60%程度で、理学療法士や作業療法士などリハビリ系専門職のなかでは難易度が高めです。
看護師
医師のアシスタントや病気やけがの人のサポートをするのが看護のお仕事です。
歯科衛生士の仕事とも通ずるところがあります。医科歯科連携の重要性を言われていますが、両者の状況が理解しづらく対立してしまっている医院や病院がまだまだあります。
どちらの知識もあることはパイプ役としても活躍できるでしょう。
看護師になるには、3〜4年の専門学校・短大・大学か、中学を卒業後に5年一貫看護師養成課程校で勉強した後に国家試験を受験します。保健師や助産師を目指すなら、さらに1〜2年学んでから国家試験に臨みます。国家試験は90%の合格率です。
歯科技工士、言語聴覚士、看護師ともに学費は年数が増えるほど高くなり、年間100万円程度の学校が多いでしょう。
保育士
最近では、保育士を雇う歯科医院も増えてきました。
赤ちゃん歯科や小児歯科、予防歯科、地域密着型歯科医院ではお子さんの来院数も多く、広めのキッズスペースを設けてご両親の治療中に保育士さんにみてもらっています。
お口の発達や抱っこ講座などの勉強会を開催している歯科医院も多いです。 保育士になるには、指定保育士養成施設という2〜4年制の短大・大学・専門学校で学んで卒業するか、受験資格を満たしてから年2回の保育士試験を受験して合格する方法があります。
費用は通学すると高くなりますが、独学で目指せば教材費・受験料・手数料のみで抑えられます。
栄養士・管理栄養士
食と口腔の関係も深いので、一般歯科や訪問歯科などあらゆる歯科医院で栄養士・管理栄養士が雇われています。
むし歯予防のために食生活まで介入することや、離乳食や介護職のアドバイスをすることなど仕事は多岐にわたります。
栄養士も管理栄養士も国家資格で、管理栄養士は厚生労働大臣に、栄養士は都道府県知事に免許交付を委ねています。栄養士は健康な方を対象とした栄養指導をし、 管理栄養士は健康な人のほか病気を患っている方や高齢者に専門的知識と技術をいかしていきます。
栄養士は、栄養士養成施設を卒業後、都道府県知事の免許を受けて栄養士に。管理栄養士は、管理栄養士養成施設で学んで国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けて管理栄養士になることができます。
栄養士は2〜3年、管理栄養士は4年の大学が対象となり、通う年数で費用が異なります。
運転免許
訪問診療を行う際に役立つのが運転免許。
手当などもつくため、お手軽に給料アップを目指せるのが嬉しいところです。
教習所や免許合宿で取得でき、費用は30万円前後でしょう。合宿だと2週間程度、通学だと2ヶ月前後で取得できますよ。
歯科衛生士におすすめのダブルライセンス「民間資格」
国家資格だと通学が必要で取得までの期間も長めだったり、費用も何百万と高かったりしますが、民間資格なら比較的ハードル低めで取得しやすいです。
ケアマネジャー
別名、介護支援専門員とも言います。国家資格ではなく、各都道府県が認定する公的資格。
高齢者に携わっていきたいならオススメの資格です。
歯科衛生士の資格を持って(もしくは介護施設などで相談援助業務に従事)、実務経験5年以上かつ900日以上勤務していれば資格試験を受けられます。
試験の合格率は10〜20%で、独特な解答方式であることや、受験するような人の業務は忙しく勉強時間をしづらいことが合格率低下の原因となっているようです。また、試験に合格してからも87時間の研修と5年ごとの更新が必要です。
認定歯科衛生士
認定歯科衛生士はさまざまな学会で設けられているので、詳しくは下記の記事をご覧ください。
歯科衛生士としての専門性を高めたい方にオススメの資格ですよ!
医療事務
医療事務とは、医療費の計算や保険者に診療報酬を請求するお仕事です。
歯科衛生士の仕事をしつつ事務作業も行えるようになり、個人医院では重宝されます。
歯科衛生士の学生期間中に取得できるよう、カリキュラムが組まれている学校もあります。
最短で1ヶ月程度で取得でき、試験に合格できれば独学も可能です。合格率は60〜80%なので難易度は低め。
パソコン検定
現場仕事の歯科衛生士でも、最近ではパソコン業務も増えました。
電子カルテが増え、最低限のパソコンの操作が求められます。
マニュアルや勉強会のスライド作りなどにも役立つパソコン検定は持っておくと便利です。
秘書検定やマナー検定
秘書検定やマナー検定など、最低限のマナーを身につけておいて損はないでしょう。
合格率は60%程度です。3級から1級まであるので高みを目指せます。
英検や漢検などの言語系資格
留学経験のある院長先生の医院や住んでいる地域によっては、外国の患者さんが多くいらっしゃることがあります。
すると英会話力が求められ、手当をつけてもらえることも。どの医院でも、突然外国人の患者さんが来院されることがあるので、さっと対応できると先生から評価されるでしょう。
このように国家資格や民間資格でダブルライセンスを持っておくと、活躍できるフィールドがどんどん広がっていきます。
信頼度が向上し、業務の幅が広がり、キャリアアップや転職でも大きな武器となります。一度検討してみてはいかがでしょうか。
-
ライター
歯科衛生士/ライター・動画編集者
歯科医院で歯科衛生士をしながら、歯科メディアにてライター・動画編集者としても発信活動中。
現場で働くからこそわかる、リアルな声をお届けします。