「歯科衛生士の仕事がなかなか覚えられない」
「メモを上手く使いこなせていない」
このようにお悩みの歯科衛生士さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
特に、新しい職場に就職したばかりの方や、新卒の歯科衛生士さんは不安に感じることが多いですよね。
そこで今回は歯科衛生士の上手なメモの取り方や活用方法をお話していきます。
メモの取り方のコツを知って、上手に活用していきましょう。
メモの上手な取り方と活用方法
メモを上手に活用できるようになると、仕事がこれまで以上にスムーズになります。
はじめは大変なことも多いのですが、のちのちラクになれるので、働き始めは頑張ってみてください。
そのような一生懸命な様子は、先生や他のスタッフさんも見ていてくれ、評価してくれるはずです。
メモを2つに分ける
まずはメモを2つに分けてください。ひとつがメモ書き用、もうひとつが清書用。
メモ書き用は余り紙で、その日のうちに何を書いたかわかれば大丈夫です。
もう一つは枚数などの調整がしやすいリングタイプの手帳がオススメ。
重くなりがちですが、長く働くほど枚数が増えていくので必要なときに増やしたり、減らしたりできるものが良いと思います。
ポケットに入ってかさばらないものを選ぶ
できる限り小さめのものを選びます。
たいてい、どのスクラブも一般的な手帳が入るぐらいのポケットの大きさがあるので、ご安心ください。
どちらもポケットに常に入れておき、必要なときにパッと書けて確認できるようにしておくのが便利です。
どこに何が書いてあるかわかりやすくする
メモ書き用はなんでもよいのですが、手帳型は誰が見てもわかるようにまとめてください。
インデックスシールで項目ごと分けておくと、必要な情報をすぐに手に入れられます。分ける項目は後ほど解説します。
余白を取って色をつける
枚数を少なくしたいからと、ついつい細かい字でぎっしり書いてしまいがち。
しかし、あまりに細かすぎるとどこに何が書いてあるかわからなくなり、読む気がなくなってしまいます。
大事なのは、時間に追われる診療時間にパッと必要なことを確認できること。
そのためにも余白を十分に取って、色分けするなどしてみてください。
要点をまとめる
文章をダラダラ書くのもNG。長くならないように箇条書きでまとめます。
文章は短くできればできただけわかりやすくなります。同じ単語が続いているなら省略するなど要点をまとめて書いてください。
その日のうちにメモにまとめて復習する
教わったことやわからないことを診療中にメモ書きしたら、その日のうちにまとめてください。
メモ書きは自分がわかればいいので落書き程度で大丈夫です。
そして、何より大事なのが疲れていても、面倒でもその日のうちにまとめること。
あとにしただけ何を書いたかわからなくなってしまいます。その日のうちに振り返れば頭にも残りやすくなるのではないでしょうか。
わからないことはわからないままにしない
わからない単語や略語が出てきたときは、すぐに調べるようにしてください。
昼休みや電車内でも構いません。
後回しにするとドンドンわからないことが増えて、頭が混乱する原因に。
意味と同時に英語表記と漢字もメモしておくのがベスト。わからない単語リストを作り、カタカナ、漢字、略語ごとに分けておくと似た言葉の違いなどもわかりやすいと思います。
あいうえお順にできればベストですが、わからないときにその都度単語が増えていくので毎回書き直していたら大変です。項目ごと分けて上から足していく形で十分だと思います。
メモの書き方の具体例
手帳型タイプのまとめ方の例をお伝えします。ベースは下記の例を参考にしていただいて、各自アレンジを加えていただくのが良いかと思います。
リングタイプの手帳型で項目ごとにインデックスをつければ、忙しい診療中もすぐに確認できます。
分け方は大きく分けて4つ。
受付業務、アシスト業務、歯科衛生士業務、その他です。
①受付業務
・電話のとり方
・医院ごとの決まりごと
・アポの取り方
・物販…など
受付はほとんどやらなくてもアポの取り方など受付さんから指示があることがあります。
普段やらない業務こそ忘れがちになるので、メモを利用してみてください。
電話で聞かなければいけないことも急いでいると聞きもれることがあるので、毎回ひとつずつチェックしながら電話を受けると良いです。
物販の種類や金額、商品の特徴などまとめておくのもオススメ。
院内にパウチしたものを置いておくほうが便利ですが、もしない場合は自分でまとめてみてください。患者さんに説明するときにも役に立ちます。
②アシスト業務
・朝の準備
・夜の片付け
・ユニットについて
・消毒や滅菌
・技工物
・レントゲン撮影の流れと注意事項
・抜歯後、義歯やマウスピースセット時の注意事項など
・治療の流れと材料…など
一番書く項目が多くなるのはアシスト業務かもしれません。
勤め始めた医院に馴染むまでは、片付け、準備、滅菌ルールやドクターごとの治療の流れと準備物など違います。頭の中を整理するためにもまとめてみてください。
新卒さんは特に、治療の流れや使用器具など細かく記載して予習・復習しやすいようにしましょう。
準備物は、出し忘れがないように毎回チェックします。言われてから出すのでは遅く、ドクターをイラつかせる原因となってしまいます。
技工物は補綴の種類によって納品先が違っていたり、納品日が細かく設定されていたりします。
水と石膏比なども正しい数値を覚えておくために記載するのをオススメします。
抜歯後の注意事項やマウスピース、義歯セット時の説明なども抜けがないようにまとめておいてください。
いざ説明するときに整理されているとスムーズに伝えることができます。
③歯科衛生士業務
・カルテの書き方
(・患者さんとのコミュニケーション)
・薬の情報
・歯間ブラシの太さや歯ブラシ、歯磨剤の特徴
・萠出歯と年齢
・フッ化物の特徴
・略称まとめ
・わからない用語まとめ…など
歯科衛生士業務は、普段使わず忘れてしまう細かい数値などを記載しておくと便利です。
私事ですが、小児がほとんど来ない医院に勤めていたときは、歯の萌出順番と年齢がすぐに出てこないことがありました。
普段から使っていることなら必要ありませんが、あまり使わないことや細かい数値などはいつでもすぐに確認できるようにしておくのが良いと思います。
薬の情報やメーカーごとの歯ブラシの特徴、近隣の口腔ケアグッズ情報などまとめておくと患者さんとお話しするときに役に立ちます。
④その他
・当院情報
・業者などの連絡先…など
ほかに、医院の住所や電話番号、技工所やディーラーなど取引先の連絡先も記載しておくのもオススメ。
受付で電話を受けるときには記載してあるので不要ですが、消毒室などなかで電話を受けたときに毎回受付まで確認しにいくのは手間になりますから、手元に置いておくと便利ですよ!
いかがでしたでしょうか。他にも必要な項目があれば増やしてみてください。
もし長く働いて、確実に覚えたことであればそのページだけ抜いてしまえばコンパクトになります。
作成するときは大変ですが、将来的には絶対にラクになれるので試してみてくださいね。
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ライター
歯科衛生士/ライター・動画編集者
歯科医院で歯科衛生士をしながら、歯科メディアにてライター・動画編集者としても発信活動中。
現場で働くからこそわかる、リアルな声をお届けします。