職場選びのポイント
求人の種類
まずは歯科衛生士として職場探しをする際にどのような探し方があるのかを見ていきましょう。
①求人サイト
新卒・既卒問わず一番多いのが求人サイトから求人検索をする方法です。
大手求人サイトでは都内だけでも常時1,800件前後の求人があります。「自分が希望する条件に合う求人を簡単に検索できる」というのが一番のメリットです。
一方で条件面の情報に偏るため「思っていた職場と違った」と感じ退職してしまうケースがあります。
②知人からの紹介
知り合いから紹介されたクリニックで働くのも歯科衛生士あるあるです。クリニックの中のことを知っている場合が多いため、情報の信ぴょう性という意味では高いです。 また勤務条件で融通をきかせてくれる場合もあります。
③クリニックのHP
クリニックのHPに採用情報が掲載してあり、そこから直接応募するパターンです。募集要項が更新されていないことも多いので注意が必要です。
④人材紹介会社を利用する
歯科衛生士とクリニックの間に立ち、希望にあった条件の求人を探してくれます。 また、面接対策などのフォローがあるため、初めて就活をする人やブランクがある人でも安心して動くことができます。
求人が増える時期
一般的に年間の中で退職が増える時期があり、そのタイミングで求人も増える傾向があります。具体的にはボーナスを支給直後の4~6月、12月~2月あたりです。
また4月~6月は「4月に入社したけど合わない」という理由で早期退職する衛生士が増える時期でもあるため、こちらも比較的求人が増えてきます。
しかし、大事なのはただ求人が多いタイミングで動くのではなく、自分のキャリアプラン体調などに合わせ動くということです。どうしても心的に辛い状態で仕事を続けてしまうと、立ち直るのが難しくなってしまいます。
よく目にする求人のワナ
①スタッフの出入りが激しいクリニック
②採用力がなくスタッフの採用までいけていなクリニック
出入りが激しいクリニックは一見すると高給与や社会保険完備など条件が良い場合が多いです。しかし、これは裏を返せば「人の定着が悪いため好条件にすることで応募者を集めている」とも取れます。
採用力が低いクリニックというのは求人の上手な出し方が分かっていない場合が多いです。ユニットだけポツンと映った写真であったりスタッフが映った写真がなかったり…。何やらよく分からないという印象が強いため応募者が集まらず、結果的に長期間掲載している場合があります。「このタイプは詳細を聞いてみると意外に好条件な場合もあります。
友人と同じ職場に入社するとどうなるのか
いつもの仲のいい友達と一緒に働けると考えただけで絶対に楽しいはず!と思ってしまいますが実情は違うようです。
実際に友達と同じ職場で働いた経験がある歯科衛生士からは
「友達以外のスタッフと距離が開いてしまった」
「仕事の優劣に差が付き関係性自体が悪くなってしまった」
といった声が多く聞かれました。
友達だからこそイラっとしてしまうこともあるため、プライベートでもいい関係性でいたいのであれば職場は別にした方が無難です。
職場を選ぶ際に抑えておきたいポイント ~条件編~
勤務地
勤務地によっては通勤時のストレスを感じてしまうため、自分がどの程度まで通えるかは予め決めておきましょう。駅から離れているクリニックの場合はバスが来る頻度なども見ておくようにしましょう。
また、仕事帰りに買い物に行きたい人はクリニックの周りに便利なお店があるのかなども見てみると良いでしょう。
給料・賞与・昇給
待遇面が原因で退職を検討する歯科衛生士も多く、給料も特に重視される要素の一つです。新卒で言えば同業種よりも平均給料が高い歯科衛生士ですが、経験を重ねて給料が上がるかどうかはクリニック次第です。
毎年、5,000円~10,000年ほど昇給するクリニックもあれば、数年働いて1,000円程度しか上がらないクリニックもあります。給料はモチベーションにも直結するため、昇給についてはよく確認する必要があります。
また、賞与(ボーナス)は基本給ベースでの支給となるため、必ず確認をするようにしましょう。 一見すると給料が高く見える場合でも「歯科衛生士手当」「皆勤手当て」などで基本給を押さえているパターンがあります。
勤務時間
人によってではありますが勤務時間はワークライフバランスを重視する方であればみておきましょう。
勤務時間で押さえておきたいポイントは2つです。
一つ目は残業時間です。求人上では「残業はほぼなし」となっている場合でも30分以上残業しているケースもあります。
見極めるのは難しいですが見学に行った際にアポ帳を見せてもらうことで、ギリギリまでアポを詰めているかなど確認すると良いでしょう。
また、見落としがちですが忙しいクリニックの場合、患者さんが押してしまうことでお昼の休憩時間が削られてしまう「お昼の残業」が発生することがあります。こちらも見学時に休憩時間まで診療が押さないかを見ておくと良いでしょう。
二つ目は「拘束時間」の長さです。勤務時間が8時間となっていてもお昼休憩が2時間というクリニックもあります。その場合は休憩時間が勤務時間に含まれないため、結果的に拘束時間が長くなるという仕組みです。
※実際に休憩が長すぎるクリニックで働く衛生士からは「ご飯を食べて寝る」くらいしかやることがないため不評です。
休日
多くの歯科医院では平日1日+日祝お休みの体形を取っています。企業勤めの人が多い都心部では土日祝休みのクリニックも多く、土日休みが良いという方は都心エリアを見てみるのもありでしょう。
また、ここで見ておきたいのは祝日がある週の振替出勤の有無です。 せっかく祝日で休みだったとしても、その分休みだった日が出勤になるため年間休日で見ると10数日少なくなってしまいます。
社会保険
家族や学校から「就職するなら社会保険完備のクリニックにしなさい」と言われた方も多いのではないでしょうか?
実際に親に言われたから何となく社保完備にクリニックが良いと考えている方は少なくありません。
社会保険に関しては「人それぞれ」な部分があるため、一概に社保がないからという理由でフィルターをかけてしまうのは非常に勿体ないのです。
社会保険についてはその保障や手取り額の違いなどによって検討する必要があるため、下記の記事でも詳しく説明をしています。迷った方はぜひ読んでみてください。
>> 歯科衛生士の手取り給料の仕組み 社保はあった方が良いの?
教育体制
新卒や経験が浅い歯科衛生士の場合、時間や給料などの条件ばかりに偏るのではなく、そのクリニックの教育体制が整っているのかはよくみておきましょう。
学校で学ぶことと実際の臨床で学ぶことは大きく違うため、教育体制が整っているかどうかは、歯科衛生士の基礎を築くためにも重要なポイントになるのです。
一口に教育体制と言っても「マニュアル完備」「スキルアッププログラムの用意」「院内勉強会の実施」「礼節・マナー研修」などさまざまなものがありますが、新卒衛生士の教育経験がある歯科医院を選ぶと良いでしょう。
具体的には、自分に一番近い経験2年~3年目くらいのスタッフがいると安心して教育を受けられる環境と言えます。
また、見学をする際には「歯科衛生士業務を任せてもらえる環境なのか」を意識してみてみましょう。患者担当制で衛生士業務が多い場合もあれば歯科医師のアシスタントや受付雑務が多く、スキルが磨けない環境もあります。
新卒の教育は時間的にもコスト的にも負担が大きいものですが、しっかり1から教えてくれる歯科医院のは本当に良い歯科医院と言えるでしょう。
診療内容
「予防型・治療型」「保険メイン・自費メイン」「訪問診療・審美」など歯科医院によってメインとなる診療内容は変わってきます。
新卒で「審美歯科に興味がある」という方もいらっしゃいますが、その後のキャリアの選択肢が狭くなってしまうこともあるため、基本的には新卒時には基礎が学べる一般歯科で勤務する方が好ましいです。
人材紹介会社の利用について
就職・転職活動の中で人材紹介会社を使うかどうか悩む時があると思います。
「よく分からないまま職場をどんどん紹介されそう…」
「自分のペースで就活がしたい…」
といったイメージもありますが、実際のメリットやデメリットはどうでしょうか。
■ 利用するメリット
- ・非公開求人や、自分では気づけなかった職場に出会える
- ・感覚で選ばず、自分にマッチした医院を探せる
- ・履歴書の添削や面接対策などの手厚いサポート付き
- ・医院とのやりとりも代行してくれるので気まずさゼロ
- ・お断りの連絡や聞きづらいことも間に入ってくれる
■ 利用時に気をつけたいポイント(デメリット)
- ・紹介会社によっては、医院の内部情報を把握せずに紹介する場合もある
- ・希望と異なる求人をすすめられることもある
- ・複数の紹介会社を併用すると情報が混在しやすい
基本的に紹介会社を使うメリットは「就活が進めやすくなる」という点です。
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