「あまり調べずに入職したらひどい労働環境だった」
「働き始めてみたら条件が違っていた」
「条件は良いが人間関係がひどかった」
こんな経験を持つ歯科衛生士さんはいらっしゃいませんか。
歯科医院の数が多く人材不足と言われているので、歯科衛生士の就職先はたくさんあります。
ただ、環境の劣悪さは医院によって大きく異なります。
就職してから「こんなはずじゃなかった…」と思ってもちょっと遅いですよね。
履歴書に傷がつく前に、離職率の高いヤバい歯科者の特徴と見抜くポイントを知っておけば失敗することも少なくなるはず。
そこで今回はブラックな歯科医院を見抜く方法と、まともな歯科医院を見極める方法を徹底的に解説していきたいと思います!
ブラック歯科医院の3つの特徴
ブラック歯科医院のあるあるは大きく分けて3つに分けられます。さっそく見ていきましょう。
(1)人間関係
まずひとつ目が
人間関係です。
スタッフ同士のこともあれば、ベテランの歯科衛生士や歯科助手、院長先生や院長先生の奥さんという場合もあります。
大人数のなかのひとりであればあまり関わらないようにできるかもしれませんが、小規模の歯科医院だとそうもいきません。
特に人間関係は表面上でわかりにくく、働き始めてから気付くことも多いでしょう。面接のときはいくらでも取り繕うことができるからです。人間関係でトラブルになるのは下記のような内容が多く見られます。
・サボっているスタッフの代わりに働かされる
・院内で派閥がある
・舌打ちや人格否定される
・無視される
・面倒なお局がいる
・セクハラがある
・仕事を割り振ってもらえない
…など
なお、悪い人間関係の原因と解決法については、「
歯科衛生士の多くが悩む辛い人間関係の原因と改善方法【現役衛生士のアドバイス付き】」の記事でも詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてください!
(2)待遇面
2つ目が待遇面です。
求人サイトに載っていることと現実が大きく違う場合、不満に繋がります。
また、働き始めは良くても昇給がなく、長く働くだけ損をするケースも。院長先生のお気に入りは多くのお金をもらっているのに自分はずっと安く働かされていることだってあります。
仕事量に待遇が見合っていないと不満もたまりますよね。
また、必要以上にミスを責められて減給されるケースもあります。
ただでさえそこまで高くない給料がどんどん少なくなってしまうのは辛いものです。
まとめると、ブラック歯科医院の待遇面は下記のような特徴があります。
・勤務時間以外の業務内容が多い
・残業代がつかない
・プライベートの時間に連絡がたくさん来る
・休みたいのに休めない
・厳しい減給ルールがある
・求人サイトに載っていた条件と違う…など
(3)労働環境
最後の3つ目は
労働環境が劣悪です。
器具や材料の使いまわしで「自分が患者さんだったら…」と想像すると胸が痛くなることも。
歯科助手が歯科衛生士の仕事をしている、歯科衛生士が歯科医師の仕事をしているなどもそうです。
人が少なく、一人ひとりの負担が多いことや教えてもらえる間もなくいきなり仕事を割り振られて教育環境が整っていないこと。
与えられた時間は30分しかないのに点数を取りたいがために無理やり処置内容を詰め込まれるなどされていたのでは労働者の私たちの疲労はたまる一方です。
・衛生管理がひどい
・歯科衛生士業務以上のことを求められる
・教育環境が整っていない
・人員不足でひとりひとりの負担が多い
・与えられている時間の割に仕事量が多い
・売上重視の方針…など
ブラック歯科医院を見抜くポイント
では、実際に働く前に求人情報などの限られた情報源の中からどのようにしてブラック歯科医院を見抜けば良いのでしょうか?
就業前に100%正確に見抜くのは難しいものの、ある程度ブラック歯科医院の求人の出し方には特徴があります。
では、
ブラック歯科医院にありがちな4つの特徴を見ていきましょう。
①求人サイトに常に載っている
求人サイトに求人がいつも載っているのは危険なことが多いです。
求人サイトに載せると何十万といったお金がかかるのにずっと出し続けているということは、人が続いていない証拠。
辞める人が多いところは劣悪な環境のことがほとんどです。
人がやめるのでドンドン条件をあげて表面上は良さそうに見えるのが一番引っかかりやすく、危険と言えます。
良い職場ほど求人はほぼ出ていないので、いつも見かける求人情報に気安く応募するのは辞めましょう。
②条件がよすぎる
先程もお伝えしたように、条件が良すぎる求人は疑ったほうがよいでしょう。
歯科衛生士が医院で売上をあげられるには点数の関係で限界があります。
よって、もらえるお給料も限界があるということです。
それ以上に条件が良いところは
「歯科衛生士業務を越えて仕事をさせられる」
「仕事量が多すぎる」
「数を回して雑な診療をせざるをえない」
「自費診療になるよう営業活動させられる」
など何かしら裏があるはずです。
③面接などが適当
とにかく人集めに必死すぎて人材の採用が適当になっているケースが多く見受けられます。
人の質よりも数を重視しているので、働く環境もひどい場合が多いでしょう。
簡単に採用される分、誰でもできる仕事になっているため、やりがいや頑張った分の見返りもないことがたいはんです。
④スカウトメールがやたら来る
求人サイトに登録して、スカウトメールが来ることがあります。
誰彼構わず送っていそうな定型文のメールは危険です。③の内容と被る部分がありますが、誰でもいいから来てほしいと思っている可能性が高いでしょう。
きちんと自己PRをして自分のよさを表現し、それをきちんと見てから連絡をくれている医院を選んでみてください。
良心的な歯科医院の見極め方
では、どのようにしてブラックな歯科医院を避け、まともな職場を見つける事ができるでしょうか、、?
ここで、良心的な歯科医院の見極め方もご紹介します。
①きちんと資料取りをしているか
治療前後の写真を撮ってきちんと患者さんに説明している歯医者さんは歯科衛生士が活躍できる環境を整えてくれている可能性が高いでしょう。
②診療の内容が偏っていないか
アポイントを見たときに診療の内容が偏りすぎているのも考えたほうがよいかもしれません。
トンデモ歯医者のように健康的な歯を何でもかんでも削ってセラミックにするような医院は歯科衛生士として辛くなることもあるでしょう。
セラミック矯正など患者さんの予後を長期的に考えたらメリットよりもデメリットのほうが大きいですよね。
信頼できる医療をしている先生のもとで自信を持って働ける場所を探してみてください。
③医院見学に行ったときの雰囲気
院長とスタッフの様子や患者さんへの対応など何となく第一印象で感じる雰囲気は働いてからも「やはりそうだった」というポイントとなります。
また、医院の清潔さや消毒室の衛生管理なども一緒に見ておきましょう。
見学に行って医院の雰囲気を感じてみるのはとてもオススメします。
スタッフの人に直接話を聞いてみるのも本音が垣間見えるかもしれません。
見学時にチェックすべきポイントは、「
歯科医院の見学時のコツ」の記事でも詳しく解説しています!
④HPや口コミなど隈なく調べる
インターネットの情報は偽りのことも多いですが、本音が見える部分でもあります。
場合によってはSNSで院長の名前を検索してみるという人もいるぐらいです。先生の普段のつぶやきで性格などがわかることもあるでしょう。
Googleの口コミなどもたまにやらせもありますが、念のため見ておくといいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
働いてみないとわからないことも多いのですが、事前に対策できることはしておけば良い職場に出会える可能性もぐっと上がると思います。
これだけ歯科医院があれば自分に合う職場もきっとあるので諦めずに全力をつくしてみてください。
歯科医院で歯科衛生士をしながら、歯科メディアにてライター・動画編集者としても発信活動中。
現場で働くからこそわかる、リアルな声をお届けします。