理由は歯科医院を経営する院長自身にあると言えますが、なぜこんなにブラック歯科医院が多いのかを検証して見ましょう。
かつての成功体験から逃れられない院長
院長自身が厳しい環境で学び成長したという意識が強いために、それが正しいキャリア形成だと思ってしまっているケースです。
厳しい環境とは長時間労働でワーカーホリック養成所というケースもあれば、オラオラ系の独裁国家型クリニックもあります。
クリニック内にこのスパルタ型で育ってきたスタッフがいる場合は、そのスタッフ自身も厳しい環境に少なからずとも賛同していることが多いため、新しく入るスタッフにも同じ勤務スタイルを強要してしまうことが多いため、なかなかスタッフが定着しないのです。
10年以上勤務しているスタッフか入社間もないスタッフしかいないクリニックはこのパターンが非常に多いため、全スタッフの勤務歴が分かれば、事前に回避することは可能です。
また若くして自分のクリニックを持つ事で自分の思い通りに事が運ぶ環境があるため、傲慢な院長の完成します。
衛生士の事を見下しており、なぜそんな事も出来ないのか?と何かにつけて指導という名目で説教をしてくるケースが多く、こちらの尊厳を脅かします。
マネジメントを学ぶ機会が不足している
多くの企業では上の立場に上がる過程で、通常の業務スキルに加え【上に立つ者として必要なマネジメント】を学び、仕事に関わる人々が気持ちよく働ける環境を整えることの重要性(組織論)を学ぶのですが、歯科業界の仕組み上、技術面がある程度のレベルに達すると、開業をしてしまう院長が非常に多いのです。
そのため、大事な過程を経験せずに一国の主人となってしまうので、スタッフマネジメント(スタッフとの付き合い方)で失敗を繰り返しながら医院経営を行うことになるのです。
例えば...
有給がない!人数が足りておらず有給をとる事が難しい・・・休む事が悪かのような態度を取られる事もあります。
回転率を上げるため無理なアポイントを組み昼休憩や終業時間を越えて診療する事も・・・充分に休む事が出来ない!そのくせ残業代が出ないといった事があり精神的・身体的に厳しい状況を生んでしまいます。
これでは誰も付いてきてくれる訳がないのです。
分院長の経験を経て開業をしている院長や、勤務医時代に経営学(マネジメント)を院長から教わる機会があった歯科医師達は【抑えるべき点】を熟知しているケースが多く、職場環境を整えてゆく能力に長けているケースが多いです。
そのため、院長が勤務時代はどんなクリニックで働いていたかを見てゆくことによって、院長自身のマネジメント力を測ることもできます。
⇒ブラックな就業環境から抜け出すには?→辛い想いを相談してください
ブラックな歯科医院の隠れた共通点
そして、ブラックな歯科医院に就職してしまう前に見抜くためにはどうすれば良いでしょうか?
ブラック歯科医院には、以下のような共通点がありますので、面接を受けようとしている方は注意してみてください。
・求人サイトにいつも載っている
・なぜか募集条件が良すぎる
・面接が適当
・スカウトメールがやたら来る
ブラックな歯科医院の詳しい特徴や見抜き方に関しては、「こんなクリニックは危ない!ブラック歯科医院の3つの特徴と見抜くポイント 」の記事でも詳しく解説していますので、就職(転職)活動中の方はぜひ併せて参考にしてみてくださいね!
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ライター
(株)Dental Happy 代表取締役
2008年に歯科衛生士専門の人材紹介会社を設立。これまで2000名を超える歯科衛生士と面談し就職先の決定に大きく関わる。関東エリアにある約2000人の歯科医院経営者より採用担当としての依頼を受ける。株式会社ヨシダや神奈川県歯科医師会より歯科衛生士の採用に関する講演依頼を受け登壇。