歯科衛生士が転職時に悩む一番の問題でもあり、院長ブロックが原因で【働きたくない歯科医院で働かされている】歯科衛生士も少なくありません。
これまで数多くの歯科衛生士の『辞められない問題』を解決してきた私たちが「院長ブロックの突破方法」をお伝えします。
ウソはつかないという前提での対処法です。
退職を言い出す前の準備から、引き留めのかわし方まで徹底ガイドをご覧ください!
- 1. そもそも【なぜ辞められないのか?】
- 1-1. 人手不足が全ての元凶?
- 1-2. 引き止めの強さは評価の裏返し
- 1-3. 簡単に辞められるパターン
- 2. 円満退社の準備【辞められないを安全回避】
- 2-1. 歯科医院の現状を把握する
- 2-2. 正しいステップを踏む
- 2-3. ジャブを打っておこう
- 2-4. 一番の回避方法とは・・・
- 3. 意思を通す伝え方【何と言えばいいのか?】
- 3-1. 改善するからと言われたら
- 3-2. 後任者が決まるまでと言われたら
- 3-3. 新しい職場を決めてから伝える
- 4. どうしても辞められない歯科衛生士へ
- 4-1. バックれたくないです!
- 4-2. すみませんマシーン
- 4-3. 診断書の提出
- 4-4. 代行会社という存在
そもそも【なぜ辞められないのか?】
人手不足が全ての元凶?
歯科医院はご存知の通り、ギリギリの人数で診療に臨んでいます。そのため1人抜けた時点で補充が必要になります。
言葉で「1人補充する」というのは簡単ですが、実際にすぐに歯科衛生士さんを採用することは容易ではないです。院長先生がスタッフから(歯科衛生士)『 辞めたいです.. 』と伝えられた際、まず頭をよぎるのはこれから待ち受ける採用活動の困難さです。
「すぐ採用できるか不安だな。残ってくれるように頼むしかないか・・」
あなたの成長を考えての引き留めであれば、もう少し頑張ってみるという選択肢もアリですが、院長の自分本位な理由から、なんとか残ってくれるように説得している場合は、後任者が来るまでズルズルと退社日を先送りにされてしまいます。
スタッフ人数が少ない歯科医院は歯科衛生士1人が担う比重が重いため、特に辞められない傾向が強いです。
逆にスタッフが多い歯科医院や、患者さんが少ないゆったりした所は、比較的辞めやすい職場と言えます。
引き止めの強さは評価の裏返し
人数的に困るために、口先だけで「あなたを評価している」と言う院長おりますが、本当にクリニックにとって評価が低い人には建前でも言わないセリフなのは間違いないです。
評価されるということは嬉しいことですね。もし転職をして転職先でも今と同等の評価をされるという確約はありません。
その点から「引き止められる」ということは一概に悪いことではないとも言えます。
けど辞めたくて、辞めたくて仕方がないわたしにとっては、評価されるかどうかなんてどうでも良いことです...
歯科業界ではほとんど全てのクリニックでスタッフを評価する【評価制度】が整っていないため、退職の意思を伝えて初めて、評価に関するまともな話し合いがもたれる事が本当に多いです。ボスから直接自分に対する評価を聞く機会も少ないので、フィードバックを受ける良い機会として捉えて見ても良いでしょう。
給料など待遇面の評価、仕事に対する日々のねぎらいでの評価など。。。
自分が思っている自己評価と、院長先生の自分への評価は想像以上に違うことも多いです。
簡単に辞められるパターン
ドキドキして退職を伝えてみたら、あっさりと退職の許可が出ることもあります。それは主に3つのパターンが考えられます。
いわゆる仕方がない、止めようがない退職理由です。特に妊娠や、結婚による遠方への引っ越しなどは院長先生も納得せざるを得ないです。
辞められないのを回避するために、残念ながらこれらの理由をウソで伝える方もいますが、今回は「ウソをつかない」ことがテーマですからやめましょう。
院長先生も十人十色。『来るもの拒まず、去る者追わず』を自で行く院長も意外と多いのがこの業界。採用の際も即合格を言い渡す即決型院長に多いのが特徴です。
『合わない人は合わない』と割り切っているため、辞めたいと伝えたら、『それじゃ明日から来なくて良いよ!』と言うまさかの即退社パターンもあります。
先ほど、引き止めの強さは評価の裏返しと書きましたが、その逆もしかりです。評価が低い場合は、簡単に退職を受け入れてくれます。ある意味で悲しいケースです。
辞めていくスタッフたちがみんな引き止められていたのに、自分はあっさり辞められた場合は医院からの評価が高くなかった可能性もあります。こんな経験をされた方は、しっかりとあなた自身が輝ける【本当に自分にあった職場探し】をお勧めします。
円満退社の準備【辞められないを安全回避】
歯科医院はスタッフ数の変化、患者さんの数の変化が常にあります。そのときの状況によって辞めやすさも変化します。明らかにスタッフ不足で一杯いっぱいの状況や、既に辞めると決まっているスタッフがいる場合などは辞めにくいです。
特に、自分が退職を申し出る少し前に別のスタッフが退職届を出している状況下で辞めるのは困難な道のりになります。
歯科医院の現状を把握する
退職を申し出る際は「用意周到」に状況判断をしましょう。
1、歯科医院の忙しさを判断
2、自分が辞めても最悪、診療は回るのか?
このタイミングを見極めることによって、院長先生の対応は大きく変わることを知っておいてください。
正しいステップを踏む
退職を伝えるタイミングが重要であることと同じくらい、正しい順序、ステップを踏むことも重要です。法律(民法第627条1項)では2週間前に退職を申告すれば退職出来ることになっています。
しかし、就業規則を定めていている歯科医院では、その就業規則の中で退職について明記されている場合も多く存在します。
退職について入社前にお互いで確認していた際は、それに即した退職日を定める必要があります。
歯科業界では退職を申し出て、2週間後に辞める事ができるのは非常に稀で、就業規則で「3ヶ月前に申告すること」などと定めがある事が多いです。
「3ヶ月か...長すぎて死にそう...」と思うかもいるかもしれませんが、伝え方やタイミングを見極める事で、院長からのあたりも悪くなく円満退社にすることは可能です!
ジャブを打っておこう
円満退社に向けた【事前のジャブ】ってなに?
退職のための準備は辞めると完全に決心してからスタートするものではありません。
【ジャブ】とはボクシングの用語で、利き手ではない手で、相手との距離をはかるために打つパンチの事です。
退職でも同じく、自分の思っている気持ち、自分の職場に対する思いを少しずつ伝えておくということです。
院長にも心の準備する時間が必要です。不平不満や溜め込んである日突然『辞めたいです』は突然の死刑宣告にも近く、思ってもいない事がイキナリ起こると、最初に混乱し、その後は怒りをあらわにします。円満退社が出来ていない歯科衛生士さんの多くが、『突然の退職願い』をしているのです。
退社を伝える前に、1−2回院長に相談という体で悩みを伝え、もう無理だと思った時に『なんども頑張ろうと思いましたが、もう無理です..』と退職を切り出すと、相手も『さすがに限界か..』と感じてあなたの意志を尊重してくれる可能性が高いです。
院長先生の【心の準備期間中】に、新しい人材募集の準備をしている可能性もありますし、何より言われたときのショックは軽減されます。
新卒歯科衛生士の方や、入社して間もない方は相談自体がしにくいかもしれませんが、辞めるにしても続けるにしても相談するクセは社会人として必須で身に付けたいビジネススキルです。
一番の回避方法とは・・・
歯科医院の現状把握、就業規定の確認、先生への事前相談・・
『出来る準備は全部してきたけど、それでも辞めさせてもらえるか不安..』
退職を認めてもらう、引き止めを回避する一番有効な方法は一体何でしょう??
『可能な限り早く伝えること』
あなたが辞められない一番の可能性は、代わりの歯科衛生士が見つからないため。そんな人材不足な歯科業界だからこそ、その点の不安が払拭されれば院長先生もあなたの退社を承諾しやすいのです。
では、どれくらい前に伝えるのが良いのか?
例えば、一般的な3ヶ月前よりも6ヶ月前に伝えた方が、院長先生の承諾が得やすいのは間違いありませんし、円満退職に近づきます。
『6ヶ月も働けない・・』今すぐにでも辞めたいとお悩みの方は、こんなサービスを利用すると不安を最小限に抑えて転職できるかも知れません。
意思を通す伝え方【何と言えばいいのか?】
退職を申し出たときには退職理由を伝えることになりますね。
人間関係、給料、残業時間、成長出来ない環境、業務内容、院長先生の態度やパワハラ、、、理由は色々とありますが、まず本当の退職理由をどこまで伝えるかという問題が発生します。
本当のことを言うと、院長に怒られそうだし、うまく丸め込まれて辞めさせてもらえないんじゃないかって、いつも不安で結局祖父の介護を自分がするとかウソの理由で退社することが多いです。。
気持ちはすごくよく分かります! けど退職理由はなるべく本当のことを伝える方が良いと思います。
理由を突っ込まれた時に、ウソを庇うために別の嘘をつくハメになり、最終的にはバッドエンディングになってしまうことが少ないですし、これからも歯科衛生士を続けてゆくのであれば、やっぱり良い関係でクリニックを去った方が絶対にいいです
それはそうですけど、結局辞めるんなら、あとはどうなってもいいや!って思っちゃうんです。よくないのは分かってるんですけど。。
もし次の職場を探す時に、面接先の院長先生が前のクリニックに連絡を取ることもあるから、やっぱり突拍子もない嘘は避けた方がいいんじゃない。 意外と改善策を提案してきて、「そこの部分を良くするから考え直してくれ」と本当に問題が解決するケースも意外とありますよ。
改善するからと言われたら
あなたが本当に悩んでいるポイントを院長に退社理由として伝えた際に、『頑張って改善する!』と言われた場合は、一度どうなるか見てみることもムダではありません。しかし、その際は1ヶ月とか期限を定めて、期限日にまた話し合う時間をもらう形がベストです。
ただ、単に辞めさせないために「改善する」と言っているケースもあるので、そのまま提案を丸め込まれてしまうことだけは気をつけましょう。
後任者が決まるまでと言われたら
退職することは認めてもらえたけど、退職日については曖昧にされてしまった。
「後任者が決まるまでは辞めないでほしい」
これはよく院長ブロックですね。一番手強く、なかなか辞めさせてもらいパターンですで、この際は慎重に対処しましょう。
正しい対応としては、就業規則に沿って退職日を決めるということです。少し医院に譲歩した「自分の中で残れる期間」を用意しておくのも有効です。
辞めたいと伝えてから1年経っても残っているという歯科衛生士さんにお会いすることもあります。医療職なので患者さんや医院への配慮は大切ですが、Noと言えない性格の方は自己肯定感も低くなりがちで、全てを受け入れると都合の良いように扱われ、将来的にも病んでしまう可能性が高いです。
新しい職場を決めてから伝える
退職日が決まってから転職活動をする、もしくは退職が全く決まってない段階から転職活動をする、新しい就職先にとっては退職日が決まっている方が採用しやすいですが、求職者側にはメリット・デメリットがあります。
⇒ 辞める前に就活を始めるメリットとデメリット
新しい転職先を決めているということは、自分の「辞める」という意思を強固なものにします。そのため院長先生からの引き止めがあっても、情に流されたり、意思が揺らぐということが少なくなります。
院長先生側も、「次の職場が決まっている」ということを聞くとショックは大きいのはもちろん、そこまで事態は進んでいるのか、、、」と引き止める気力が弱くなります。
恋人から「別に好きな人ができて・・・」と言われたときの心境に似ています。想像すると理解できますよね。
どうしても辞められない歯科衛生士へ
バックれたくないです!
ここまでの準備や対処法を試してみたけれど、やっぱり辞められない、、、正直もう我慢の限界!!
ここまで来たら第4章は手段を選ばずという段階。
「ウソ」と「バックレ退社」をしないでどうやって辞めることが出来るのか、いくつかの最終手段をお伝えしましょう。
まずは「バックレ」が悪いという正論を逆に利用する方法です。どういうことかというと、以下の流れをご覧ください。
院長お話があるんですけど、今お時間ありますか?
今ウチの診療所、人手が足りなくて忙しいの分かってるでしょ!? イキナリ辞めたいとか言っても無理だよ!もう一回考え直してきてよ。
もう心身共にボロボロで…自分としてはなんとか全力で頑張っているんですけど、これ以上続ける自信がもうなくて、ある日突然クリニックにもう行けないってなってしまいそうで...
・・・・
でも突然行かなくなるなんて事したら、患者さんにも先生や皆さんにも本当に迷惑がかかるので、そんなことだけはしたくないんです!
だからお願いです! ここまではやれという期限を決めてください。そうしたら、そこまでは頑張って続けますので。退職させてください!
強引ですが、いきなり来なくなることは院長先生にとっては恐怖です。
最悪の事態を回避するために、仕方なく退職を認めるという流れで現状を打破する方法です。
すみませんマシーン
これを突き通すには、無心になることを決めてください。院長の返答や質問に向き合えば向き合うほど、あなたのスキを突かれて、丸め込まれてしまうリスクが高まります。
方法はシンプルです。院長先生が引き止めてくる言葉に対して、頭で考えて返答するのではなく、
これ以上続けてゆく気持ちはないと、決断した思いを変える気持ちは全くないという、断固としたスタンスをはっきり表明することです。
自分の意思を明確にできない人は、院長も『少し強引にでも止めれば、NOと言えないだろう』とあなたの性格を逆手に取られてしまう可能性が高いです。
院長先生が途中で怒りだす可能性もあります。
ただ、それでも強い気持ちでグッと我慢です。「すみませんマシーン」になりきります。
最終的には院長先生も「もう疲れた。何言ってもダメだ」と折れるのを待つという方法です。
代行会社という存在
近年、歯科衛生士の利用も耳にする機会が増えて来た【退職代行会社】。
簡単に言うと、労働者に代わって退職の手続きや処理をしてくれる代行会社です。3~5万円ほどの費用がかかりますが、退職を言い出す気まずさや、引き止めを回避して院長先生を納得させる手間を無くしてくれるサービスです。
お金を払えば確実に辞められる手段であることは間違いないです。
しかし、退職代行会社を使われた院長サイドとしての怒りは凄まじく、周りの友人Drはもちろん歯科医師会やありとあらゆる場所でバイネーム(あなたの実名)で『不届き者だ!』という話をして回ります。
履歴書や公的機関に記録は残りませんが、地方で働く歯科衛生士の場合は気をつけましょう。これまでにも代行会社を利用したというだけでも地域一帯で採用NGになった歯科衛生士は何名かおります。
辞めるまでは良いかもしれませんが、その後の転職活動に大きな傷跡を残します。
※ 歯科業界は狭いので、院長先生同士の繋がりがあったときはバレます。
代行会社の利用はあなたに非はありませんが、限りなくグレーなバックレと言えるかもしれません。
これまで様々な「辞められない」を回避する準備や、引き止めの対処法をご紹介してきました。それでも一番大事なことは円満退職をすることなのは皆さんも同感だと思います。
もし今あなたが、【辞めたいのにどうしても辞められなくて困っている】という際は、デンタルハッピーの担当スタッフがあなたの状況に即して、どうすることが最善かを一緒に考えてゆきますので、お気軽にお問い合わせください。
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ライター
転職カウンセラー
歯科衛生士の転職カウンセラーとして10年以上のキャリアがあり、これまでに歯科衛生士の転職サポートに携わった件数は日本でNo.2の実績を持つ。