歯科医師の年収 | 現実は厳しい?現場のリアルな本音

歯科医師の年収 | 現実は厳しい?現場のリアルな本音

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歯科医師は高度な専門知識を必要とするレベルの高い国家資格です。

しかし、歯科医師になるためには6年も大学に通う必要があり、歯科医師免許を取得した後も研修医として1年間過ごさなければならないなど、かなり長い道のりとなってます。

また、私立大学の歯学部の場合は莫大な学費が必要となり、歯科医院の数もコンビニよりも多いと言われる状況です。

今回は歯科医師の年収に関する現実や考え方の傾向を解説していきたいと思います。
 

歯科医師の年収


歯科医師の平均年収は724万円
 

平均年収


厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、勤務医として働いている歯科医師の平均年収は724万円です。

母集団の平均年齢は39歳で、都市部だけでなく地方も含めた数値であることを考えると平均年収の高い職業と言えるのではないでしょうか。

実際に開業資金のためにお金を借りる必要のある場面でも、歯科医師という職業に対する信頼度は高いと言われています。

平均年収の推移


歯科医師の年収の推移
上記グラフは過去の調査から歯科医師の年収推移を表したものになります。

調査年によって母集団が異なるので変動はありますが、だいたい600万円〜800万円内で動いていることを考えると歯科医師は勤務医としてでも高い水準で安定して働けそうです。

歩合給


歯科医師の給与形態としては「定期昇給型」と「最低保証+歩合型」「歩合給のみ」のパターンが存在します。ただ、基本的には前者の2パターンです。

歩合の決まり方ですが、歯科医院として各歯科医師に最低限診てほしい患者さんの点数というものが存在し、その点数を超えた分の売上のうち一定割合が歩合として還元されるパターンが主流になります。

早いところでは実務2年目から歩合給を取り入れており、歩合の割合については20%が目安で、25%になると多い部類です。
 

年収モデル


パターン①
1年目:35万円/月
2年目:40万円/月
3年目:45万円/月
以降、毎年5万円/月の昇給

このパターンは定期昇給型で、毎年5万円の昇給になるケースが多いです。

新卒の相場は35万円/月で、教育体制に力を入れているところだとその分30万円から始まる歯科医院も存在します。

クリニックによってはこのパターンで100万円/月を超えることもあります。

パターン②
1年目:35万円/月
2年目:40万円/月

3年目:最低保証40万円 + 歩合給
歩合給は最低保証の点数を超えた分のうち20%を支給。

こちらは先ほど説明した歩合給のパターンです。
1〜2年目は歩合がないためパターン①と同じになっています。

最低保証については年次で変わることはなく、勤務歴が長いほど自分が担当の患者さんが多くなってくるので、それによって年収を伸ばしていくようなイメージです。
 

勤務医の将来性


今や歯科医院はコンビニより多いと言われる状況ですが、過剰供給気味になってしまった背景として、かつては歯科医師も人手不足だったことが挙げられます。

ただ、今は逆に歯科医師が増えすぎてしまったので歯科医師の国家試験は難化し、合格者数は年を追うごとにゆるやかに減少傾向にあります。

また、歯科医の場合は開業する割合が半数近くと非常に多いですが、最近は個人経営のクリニックの割合が減って法人経営の歯科医院の割合が増えている傾向にあるため、勤務医の需要が増えるかもしれません。

開業歯科医の現実


開業歯科医のリアル

開業歯科医の数と動機


厚生労働省の最新調査(令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況)によると、開業歯科医の割合は全体の半分を超えてくる状況です。

後述するように歯科医院の開業には莫大な資金が必要となるため、 リスクを冒しても開業する価値を感じている人がそれだけ多いということになります。

開業としての動機としてお金を挙げる方ももちろんいますが、それよりも自分の理想とする歯科医院を追求したいからと考える方が多いです。

また、開業した歯科医師の方では、実務1、2年目の頃から将来の開業を見据えていた方が多く、キャリアの途中でふと開業を意識するパターンは少ないという傾向もあります。
 

開業に必要な資金


ゼロベースで開業した場合に必要な初期費用は4,000〜5,000万円と言われています。それでもゼロベースで開業される歯科医師の方も多くいらっしゃいます。

居抜きの物件借りたりなど初期費用を下げる工夫もありますが、先述したように自分の理想とする歯科医院を経営したいとなったときにその選択肢を取らないことが多いです。むしろ居抜き物件は法人の歯科医院が買い取るケースがあります。

また、1階で良い物件を見つけられるか(1階と2階ではかなり集患力が変わるので)などの、タイミングに左右される部分もあります。
 

開業に失敗するパターンとその後


歯科医が過剰供給気味といえども、開業前にはその地域の人口や通行人の数、同じエリア内の歯科医院については調査しておくのが普通で、そうした事前調査はクリアしていると考えられます。

実は歯科医師の場合、勤務医だと患者さんの治療に専念できる部分があるので、経営やスタッフ全体のマネジメントを経験する機会というのは少ないです。

そのため開業した場合、院長先生の人柄が成功・失敗の結果に影響を与えることは多いです。
例えば、患者さんへの対応が悪いと今の時代は悪評も広まりやすいですし、さらにそれがスタッフの退職に繋がって自分1人で診ないといけないようになると経営上ますます悪循環に陥ってしまいます。

ただ、万が一開業した医院の経営が上手くいかずに閉じてしまっても、その後は何とかなることも多いです。

確かに院長先生視点で元開業医を採用するハードルは高めですが、ある程度経験を積んだ歯科医師で非常勤としてなら日給数万円で雇ってもらえるなどのケースがあるからです。

歯科医師の年収に関する本音まとめ


ここまで歯科医師の年収事情についてリアルな内容をまとめてきました。

開業して初めて分かることもありますし、実際開業したものの上手くいかなくて「勤務医のままが良かった」という声もあります。
開業して成功した先生は「開業して良かった」とおっしゃるでしょう。

卒業大学の学費やご両親が開業医であるかなど、諸条件によっても状況が変わるので、色々な思いがあると思います。
© デンタルハッピーDr