勤務時間が終わったらすぐ帰りたいと思うのは当然のこと。
それでも残業が多くなってしまうのはなぜなのでしょうか。
残業が多い理由は、体制が整っていないことや人手不足などの歯科医院側の問題と、作業の効率が悪いことや準備不足など自分自身に問題がある場合に分けられます。
そこで、この記事では「歯科衛生士の残業が多くなってしまう5つの原因と改善方法」をご紹介します。
これをきっかけに仕事への姿勢を見直し、職場の環境を整えて働きやすい職場づくりをしてみてください。
そもそも残業は労使間お互いにメリットがない
従業員100名以下のクリニックや病院などの医療機関において、以前は60時間超の割増賃金率は25%以上とされていました。
しかし、働き方関連法による法改正により、2023年4月から医療機関の規模に関わらず60時間超の割増賃金率は50%以上に変更されました。
ただ、残業代がすでにお給料に含まれているケースもあるので、注意が必要です。
働き手側としては、残業が多くなるほど稼げる反面、プライベートの時間は削られてしまいます。
歯科医院側も残業代がプラスされ、ダラダラと無駄に働くスタッフも増えてしまうデメリットも、、、
やるときはやる、やらないときはやらないとオンオフをはっきりつけたほうがお互いに負担なく働けるのではないでしょうか。
歯科衛生士の残業が遅くなってしまう5つの原因
先ほどもお伝えしたように、残業が多くなってしまう原因は大きく分けて歯科医院側(以下①~③)と自分側(以下④~⑤)に問題がある2つのパターンがあります。
それぞれ見ていきましょう。
①急患が来た
予約システムが浸透してきましたが、まだまだ急患でいらっしゃることも少なくありません。
診療時間終了間際に患者さんが来院されたとき、残業はやむを得なくなります。
そんな時間に予約もなしで来る患者さんもいけないのですが、その状況で患者さんを受け入れてしまう歯科医院側も考えものです。
応急処置に留まらず、普通に治療を始めてしまう先生もいます。
痛みが強くて仕方ないときもあるものの、必要最低限の人員だけ残して他のスタッフは帰してあげるなど考慮してもらいたいものですよね。
残ったスタッフには感謝を伝えるなどの配慮をしてくれるのであれば、残業になったとしても気持ちよく働けるのではないでしょうか。
②来院患者数とスタッフ数が見合っていない
歯科衛生士不足と言われていますが、少ないスタッフなのに患者さんの数を減らさず、来る者拒まず受け入れてしまうと、スタッフはパンクしてしまいます。
治療が終わったら、片付けはスタッフに任せて先生は先に帰ってしまうなど「自分がよければいい」という考えの医院では、スタッフは苦労がたえません。
人員が減ったときには一列アポをカットするなど調整してほしいものです。
③治療が押している
先生が時間関係なく「区切りのいいところまでやりたいから」とアポイント無視で治療をすると押し押しになってしまいます。
すると、残業を強いられ、お昼休みの時間がほとんどないこともあります。
たまになら仕方ないのですが、毎日のこととなると話は別です。
また、歯科衛生士自身のアポが押してしまっていることもありますが、30分メインテナンスなど短めの時間で、こなさなければいけない業務が詰め込まれ過ぎていることも原因のひとつになっています。
また、業務が雑になってしまうので患者さんによっても良くないですよね。
④片付けが溜まっている
やることが多くて仕方がないときもありますが、効率的に動けていないことが原因で片付けがたまってしまい、残業することになっているケースも。
ちょっとした待ち時間に、少しだけでも片付けを済ませておくと後で大量に処理しなければいけない状況を防ぐことができます。
⑤サブカルテの記入が終わっていない
あとでまとめて書こうと思ってとっておくと、何を書くか忘れてしまったり、時間がかかって残業することになってしまったりします。
たくさんメモをとることは自分にとっても他のスタッフにとってもよいことですが、無駄にダラダラと記載するのはあとから読みにくく、何が言いたいのかわからなくなります。
箇条書きでまとめることや、表をつくってチェックするだけにするなどサブカルテの形式を見直すことも大切です。
⑥締め作業が多すぎる
最後の締め作業が多すぎても残業が多くなる要因になります。
掃除は朝の準備のときにやる、途中で滅菌処理を済ますなど、最後の締め作業の負担を減らす工夫が必要です。
残業をしないための対策は?
残業をしないためには、自分自身の行動を見直すことと、歯科医院側に働きかけて体制を整えることの両方が必要です。
まずは自分自身のことを見つめ直し、自分でできることからはじめてみてください。
歯科医院側に働きかけるのはとても大変ですが、変えてしまったらあとがラクです。
院長に伝えるときは自分の要望ばかり押し付けるのではなく、みんなにとってメリットがあることを伝え、できることとできないことをみんなで考えていく必要があります。
もしどうしても改善されないときは、残業代を出してもらうことや残業してもしんどくならない工夫をしてもらいましょう。
それすらも考えてくれないのであれば転職も視野に入れつつ、働きやすい環境を自ら作り出せるように頑張ってみてください。
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ライター
歯科衛生士/ライター・動画編集者
歯科医院で歯科衛生士をしながら、歯科メディアにてライター・動画編集者としても発信活動中。
現場で働くからこそわかる、リアルな声をお届けします。