「歯科衛生士を目指したいけどお金がない」
「働きながら歯科衛生士学校に通うことはできるのだろうか」
このように悩んでいらっしゃる方はいらっしゃいませんか。
結論から言いますと、働きながら歯科衛生士の資格を取ることは可能です。
ただし、条件もあるので、事前にしっかり確認しておくことが大切。
働きながら歯科衛生士の国家資格を取るには、相当な忍耐と努力が求められます。高い入学金を支払って、途中でやめてしまうのは時間とお金がもったいないので、入るならば覚悟をして臨んでください。
ただ一度資格を取ってしまえば、パートでもある程度の収入を得られ、全国どこでも働くことができます。
結婚や出産後も仕事に復帰しやすいのも歯科衛生士の特徴のひとつ。コロナで職を失う人が多かったなかで、困ることは一度もなかった「手に職があるメリット」は大きいです。
学校に支払う費用を考慮しても生涯年収を考えたらプラスになる場合も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「働きながら歯科衛生士の資格を取るにはどうすればよいか」を解説していきます。
働きながら歯科衛生士の資格を取得する方法
「働きながら」というと通信制の学校を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、残念ながら歯科衛生士の資格を取得するには通学しなければなりません。
学校の種類は専門学校と短大・大学があり、大学では4年間、専門学校と短大では3年間通えば国家試験の受験資格が得られます。
夜間部の学校を選ぶ
働きながら資格取得を目指す一番の方法は「夜間部の学校を選ぶこと」です。授業は18時頃からはじまり、90分の授業が2コマあるので、21時半頃に終わります。
実習系の授業があるときは事前準備や片付けがあるので、時間が少し長くなることもあります。
自宅から学校が近めのところなら身体の負担も少なくすみます。職場も近隣を選べば17時ぐらいまで働くことが可能です。
学費は年間で100万円程度かかり、毎月8万円程度の支払いになるでしょう。実家暮らしであれば、貯金があまりなくても払っていけない額ではなさそうです。
もちろん奨学金制度もあるので、厳しいときは借りるのもひとつ。ただ利子もつくので、借りる額はなるべく少なくしておきましょう。
費用を抑えて歯科衛生士を目指すには
働きながら歯科衛生士の資格を目指したい人は、社会人経験のある人や子育て世代の方も多くいらっしゃると思います。お子さんがいる人は特に「自分にお金をかけられない」と考えることもあるのではないでしょうか。
今から学校に通うのであれば、できるだけ費用は抑えたいですよね。
もしかしたら働きながら夜間の学校を選ぶよりも、費用を抑えつつ3年間は勉学だけに集中するほうが、負担が少ないかもしれません。
① 国公立を目指して費用を抑える
3年制の学費は私立で300〜400万円、公立で150万円。4年制の学費は私立で480〜570万円、国公立大学で250万円。
国公立を目指せば私立の半分ですみます。一番安いのは3年制の国公立を受験すること。
その分、倍率が高く、受験前に勉強する必要があります。国公立は、夜間部がないので働きながらは難しいです。ただ費用が抑えられる分、貯金でやりくりしていきやすいでしょう。
② 学費免除制度を利用する
成績優秀者向けに褒章制度を設けている学校もあります。良い成績、良い生活態度の生徒に学費の一部が免除されます。
スキルを身につけられる上に費用も抑えられたらメリットばかりです。
ほかにも「教育訓練給付金制度」もあります。厚生労働省の教育訓練給付金制度における「専門実践教育訓練給付」の指定校に認定されている学校であれば、一定の条件を満たした場合に、最大で168万円の「教育訓練給付金」を受け取ることができます。
私立でもトータル140万円程度に抑えられるので、社会人として再進学をする場合は利用してみてください。
働きながら歯科衛生士を目指す場合のポイント
働きながら学校に通うには注意点もあるので、事前に確認しておきましょう。
① 職場の理解があるかどうか
学校に通いながら正社員で働き続けるには、職場からの理解が絶対条件。学校によっては時短勤務が必要なこともあります。
日中に行う課外授業などもあるので、有給取得がしやすいかなども調べてみてください。
日中に歯科助手をしながら夜間の学校を通う場合は、理解してもらえることが多いです。
学費を負担してくれる職場もありますが「歯科衛生士になってからの就職先にする」など条件もあるでしょう。
歯科衛生士になってみると他の職場も魅力的に感じることもあるので、一度冷静になって、周りの方にも相談してみることをオススメします。トラブルになる前に、社会保険や勤務条件を確認しておいてください。
② 実習期間中はパート勤務でないと難しいことも
普段の授業では働きながら勤務することができますが、実習期間中は難しいこともあります。
歯科医院や病院での実習は、日中に設けられていることが多いからです。
実習期間は2年生の後半から3年生の前半にかけての1年間だけなので、その期間だけはパート勤務にして、奨学金を利用するなど工夫してみてもよいかもしれません。
もし実習時間が夜間だったとしても、授業時間より早めに始まることがあるので、いつも通りの時間で勤務するのが難しくなります。
また、夏休みを返上して実習がある、土曜日も実習がある、といったことも…。勤務先の勤務条件や、学校のシステムがどうかでも変わってくるので、確認しておきましょう。
③ 体力面の問題が出てくる
どれだけ授業を聞いていたくても、朝から夕方までみっちり働いて、夜に授業を受けていると眠けが襲ってきます。
全教員がおもしろい授業をしてくれていればよいのですが、眠気を誘う内容と喋り方をする先生もいらっしゃいます…。
また、宿題をやる時間に悩まされることも多くなるでしょう。仕事の前に早起きするのか、昼休みにやるのか、スキマ時間にやるのか人によって違いますが、とにかく時間がありません。
料理や家事をやる時間はほとんどないので、誰かに甘えるか、インスタント食品など便利なものに頼る必要も出てきます。
まとめ
このように、働きながら歯科衛生士を目指す場合は大変なことも多いのですが、無理ではありません。
3年間を乗り越えてしまえば、あとがラクになるので、ぜひ前向きに検討してみてください。
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ライター
歯科衛生士/ライター・動画編集者
歯科医院で歯科衛生士をしながら、歯科メディアにてライター・動画編集者としても発信活動中。
現場で働くからこそわかる、リアルな声をお届けします。