「歯科衛生士としてスキルを身につけたい」
「いろんな勉強会やセミナーがあるがどれが良いのかわからない」
「無料から有料まで、おすすめのセミナーがあれば知りたい」
このように考えている歯科衛生士さんはいらっしゃいませんか。
「勉強したい」とモチベーションがあってもどこからセミナー情報を得たらよいかわからない、セミナー情報がありすぎてどれに参加すればよいのかわからないといった方も多いのではないでしょうか。
私もこれまで100万円以上は勉強会代に費やしてきたと思います。そのなかで「失敗したな」というものもあれば「参加してよかった」と感じたものもありました。
そこで今回は歯科衛生士のスキル向上に役立つおすすめセミナーを紹介します!
ただ勉強会も定期的に行われているものばかりではなく、その場限りの単発セミナーも多いため、具体的なことが言えないこともありますのでご了承ください。
歯科衛生士におすすめの無料で受けられる方法3選
無料のものは無料なりの内容で、有料のものはそれなりに良いものが多い印象です。ただそれも主催者によってまちまち。
「この内容が無料でいいのか!?」と思うようなセミナーもあれば、ただのぼったくりセミナーももちろんあります。
① 企業主催の無料セミナー
企業主催のセミナーは内容が偏っていて、他社比較していてもエビデンスレベルが低かったり、自社商品がいかに素晴らしいかを語ったりするだけです。
そのなかでも企業側の人間ではなく、有名な先生に講義依頼をしていることがあります。
機転の効く先生や歯科衛生士さんが講演していると、企業をたてつつ、臨床にまつわる良い情報をチラホラ出してくれるので、聞いていても面白く、勉強になります。
はじめはどの先生や歯科衛生士さんの話がためになるかわからないと思いますが、月刊歯科衛生士などを読んで、共感できる人やおもしろい内容を書いている人の名前を覚えておくといいと思います。
そこからその方が出版している本を探して読んでみたり、有料セミナーにチャレンジしてみたりすると失敗は少ないはず。
② 自主的な勉強会に所属する
2つ目の無料セミナーは、個人で活動している勉強会です。
セミナーというより自主的に勉強したい人が集まった会というイメージ。儲けることを目的としていないので、お金をとることはありません。
しかし、会によっては無料なだけにダラっとしていたり、有名な先生などはほとんどおらず、これから名の知れるだろう方が講演していたりします。みんなで協力しながら成長していけるので楽しさがある反面、悩みを解決するほどの内容がないことも…。
また、それらの勉強会に参加するには人脈も必要になります。仲間うちで行っているので公にしていません。そこに参加するにはまた別の勉強会に参加して、人脈を広げて紹介してもらうのがいいと思います。
③ 院長先生が参加するセミナーについて行く
ハードルが高ければ、院長先生が参加している勉強会にくっついていくのもあり。
支払うのは歯科医師のみで、ついてきた歯科衛生士は無料というセミナーもあります。
そういったところで他院の歯科衛生士さんと繋がりを持っておきましょう。
ほかにも歯科医師会や歯科衛生士会、先生が所属している学会などで、無料のセミナーが定期的に開催されています。これらは年会費がかかるからか、普段の勉強会で別途請求されないことも多いです。
またデンタルショーに行ったり、材料屋さんからチラシをもらったり、歯科雑誌のセミナーコーナーなどで情報を得られたりするので、日頃からチェックしてみてください。
歯科衛生士におすすめの有料セミナー7選
有料セミナーは難しいところ。後輩育成のためと思っている先輩が企画したものなら低価格で良い情報を得られますし、比較的高めの設定にしていて内容も薄いといった印象のセミナーももちろんあります。
今回は参加して楽しかった先生を何人かご紹介します。
① 山本浩正先生「歯周病」
山本先生はとにかく話がおもしろく、セミナーといってもあっという間に時間が過ぎてしまいます。
本もたくさん出しています。分厚いので一見読むのはハードルが高く感じますが、読みやすいように工夫されていますよ。
歯科医師向けの本でもわかりやすく内容も深いのでおすすめです。
受講料目安:22,000円~44,000円
② 天野敦雄先生「歯周病」
天野先生も関西の先生なので、勉強会では常に笑いどころをつくってくださっていて、聞いていて飽きません。
大阪大学の予防歯科学の教授なので、専門的な内容に触れることができます。
受講料目安:無料~5,000円前後
③ 長谷川嘉昭先生、川崎律子さん「歯周病」
長谷川歯科医院の院長先生と歯科衛生士さんです。
お二人のお茶目なやり取りがおもしろく、医院として歯科医師・歯科衛生士が協力している様子なども勉強になります。改善している症例は圧巻で、感動します。
受講料目安:無料~280,000円(スーパーペリオ塾:全4日間)
④ 西田亙先生「糖尿病」
糖尿病と言ったらこの方。西田先生は糖尿病専門クリニックをご開業されながら、歯科医療者向けに講演活動も行っている内科医の先生です。
「生まれ変わったら歯科衛生士になりたい」とおっしゃっていて、糖尿病に関することはもちろん、患者さんとのコミュニケーションに関する話もとてもおもしろいです。
受講料目安:無料~
⑤ 山田翔先生「カリオロジー」
むし歯に関すること、BLWをはじめとした赤ちゃんにまつわることなどを発信されている先生です。
とにかく文献を多く読んでいらっしゃるのでおっしゃることに説得力があり、費用も良心的。
SNSで尖った発言をされているのでよく炎上していますが、発信内容は無料で行っているのが信じられないほど素晴らしいものばかりです。
受験料目安:無料~7,000円前後
⑥ 奥山博実さん「歯科衛生士向け全般」
奥山さんも歯科衛生士向けの勉強会やケースプレゼンテーションなど主催されています。
臨床もバリバリ続けながらあらゆる医院で後輩育成に携わり、スキマ時間に講演活動もされているバイタリティ溢れる歯科衛生士さんです。
後輩育成のために全力で、厳しい言葉もありますが愛を感じられます。費用も最低限なので参加しやすいと思います。
受験料目安:無料~
⑦ 小林明子さん「補綴物のメインテナンス」
林明子さんは、歯科衛生士と歯科技工士のダブルライセンスをお持ちの方。
技工物関係の知識はとても詳しいので、補綴物で迷ったときは小林さんのお話を聞いてみてください。
受験料目安:無料~20,000円前後
まとめ
他にも素晴らしい先生や歯科衛生士さんはいらっしゃいますが、今回は一部の方のみご紹介しました。
ちなみに、口腔内写真はどの方のセミナーもそこまで違いはありませんでした。
多くの口腔内写真に触れ、写真を見たときにどれが良くてどれが悪いか説明できるぐらいになれるのが早く身につける近道です。
SRPは医院の方針によってもおすすめのセミナーが変わってきます。SRPのやり方や使用器具の種類など、歯科衛生士さんによって言うことが様々だからです。
医院の方針に合う歯科衛生士さんを見つけるのが良いと思います。
おすすめは何回かに分けて細かく指導してもらえるセミナーです。
自分が行なっているところに講師の先生が手を添え、根面に当たる感覚や歯石をはじく様子がわかるような指導をしてくれるセミナーが良いです。
全部位の、患者さんの頭の位置や挿入角度、自分のポジショニングを教えてもらってください。
それからは自院に帰ってから練習あるのみ。セミナーに参加するだけではいつまでたっても身につきません。
口腔内写真もSRPも練習が一番大切です。
セミナーに参加する前に本などで基礎知識をつけ、練習をして苦手なところやわからないことを把握しておき、それからセミナーに参加、そしてまた練習。この流れが一番身につきますよ。
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ライター
歯科衛生士/ライター・動画編集者
歯科医院で歯科衛生士をしながら、歯科メディアにてライター・動画編集者としても発信活動中。
現場で働くからこそわかる、リアルな声をお届けします。