予防歯科に力を入れているクリニックはどこでも衛生士担当制を採っている訳ではありません。
実は院長が歯周病専門医のクリニックでは、非担当制のクリニックも多いのです。
予防・歯周病治療に力を入れているのに、なぜ担当制の所もあれば非担当制のクリニックもあるのか?
背景としては一番に考えられるのは、クリニック(院長)の歯科診療に対する考え方です。そして患者さんが定期的に来院する動機がどこにあるか?という問いに対する院長の考え方によって決まることが多いです。
歯周病や歯科予防は患者さんの日々の取り組み、セルフケアが何よりも重要と強く考える院長は担当衛生士制にする傾向が強いです。 また患者さんの来院動機に歯科衛生士の存在が強く影響していると考える院長もメンテナンスは担当制を取ることが多いです。
反面、患者さんの来院動機が私(院長自身)にあると考える院長は非担当制にする傾向が強いです。患者さんは衛生士個人の患者さんではなく、クリニックの患者さんであるから、担当者による当り外れが少ないと考え、【結果を重視】するために非担当制をとるケースが多いように思われます。
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担当制 : 衛生士にとってのメリット
患者さんの口腔内を長期間観察し続けることが可能です。患者さんと接触頻度も多いため、自然と信頼関係が生まれ計画通りに進めやすいという利点もあります。
患者さんとの関係を築くことが好きな方にとっては【仕事のやりがい】が生まれるのは間違いないでしょう。
担当制:衛生士にとってのデメリット
Drを除き、基本的には自分以外が口腔内のチェックをすることがありません。そのためカリエスの見落としや、いつも同じ箇所が改善されないという問題も起きます。
また体調が悪い場合でも簡単に欠勤は許されないという、責任の大きさもデメリットと捉えられるかもしれません。
非担当制:衛生士にとってのメリット
一人の患者さんを複数の歯科衛生士でケアをするスタイルで、先輩衛生士がいるクリニックでは、どこが良かった・良くなかったとフィードバックをもらうことが容易です。
患者さんにとっても一定の治療の質が保証されるため、能力に不安を感じる方にとっては、より安心して働けるといえるかもしれません。
また先輩衛生士がフォローできるため、経験が乏しい歯科衛生士でも入社間もない段階でも、患者さんを任せてもらえるケースが多いです。
非担当制:衛生士にとってのデメリット
自分以外の衛生士が関わった結果、口腔内が悪化してしまう事もあります。
自分の立てた計画通りにメンテナンスが進まないとストレスを感じることもあるかもしれません。
クリニックによっては伝達ノートやセカンドカルテなどで情報を共有している場合もありますが、来院毎に会話を交わすわけではないので、患者さんの事を本当に理解するのに時間がかかります。
『責任感が仕事のやりがいに繋がる』と考える歯科衛生士は担当制の方が同じ職場で長続きすると思われます。
一方、自身の能力にまだ不安を感じている方や、極度にプレッシャーを避けたがる方は非担当制の方が安心して業務に取り組めるかも知れません。
そのため、新卒や経験の乏しい場合は担当制・非担当制はそこまで意識しなくても良いのではないでしょうか?
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