「むし歯になる前に、お口の中を健康に保つ」
昨今、むし歯治療するよりも口の中を定期的にメインテナンスして、口内を健康に保つことの方がより大事だという認識が広がってきました。
今回はそんな「お口の健康を守る」オーラルフィジシャンについて解説をしていきたいと思います!
各国の予防歯科の現状
オーラルフィジシャンの内容を知る前にまずその普及率を見てみましょう!
世界各国の【平均残存歯数】を調べると・・・
スウェーデン:75歳で平均20本。
アメリカ :85歳で平均16本。
日本 :80歳で平均15.3本。
※余談ですが、昔の日本の平均残存歯数はなんと5本。尋常じゃない少なさから年々増加中です。
なぜ、スウェーデンでは歯がより多く残るのか?
答えは、【予防歯科】にどれだけ力を入れているかにあります。
スウェーデン(アメリカもですが)は、歯医者で定期的に受診することがポピュラーです。
スウェーデンでは定期受診率が80~90%、アメリカも70%と高い受診率を叩き出しています。
具体的な内容は?
【オーラルフィジシャン】直訳するとつまり 【口腔内科医】です。
私たちがイメージしやすいむし歯治療をしてくれる歯医者というより、むし歯や歯周病にならないように口内の健康を管理してくれる歯医者のことを指します。
日本では、山形県酒田市にある、日吉歯科診療所のDr.熊谷が中心となって、【オーラルフィジシャン】の概念を広める活動をしておられます。
歯科医院での具体的な診療内容
ポイントは「患者さん自身に、自分の口腔内に興味を持ってもらうこと」
その為に、初診時にしっかりと検査を行います。
具体的には
① X線検査
② 口腔内写真
③ 歯周組織検査
④ 虫歯のリスク検査(サリバテストなど)
徹底的に検査をしてデータを取り、その検査結果を踏まえ患者さん自身に【どんなリスクが潜んでいる口腔内なのか】を理解してもらう。
その上で患者ごとに適切なカリキュラムを組んで、虫歯と歯周病を発症させない様に口腔内をコントロールしていきます。
また、「歯に対するモチベーションを上げて、ブラッシングの大切さを知ってもらい予防に繋げる」という一連の流れもオーラルフィジシャンの特徴の1つ。
この一連の流れができて初めて治療に移ります。
治療してもブラッシングがしっかり出来ていないとP(歯周病)が再発してしまうからです。
オーラルフィジシャンの診療とは、ただ主訴を改善するのではなく「その先の未来」を一緒に考えていくことなのです。
オーラルフィジシャンを学びたいと思ったら
オーラルフィジシャンを実践する歯科医院は、『衛生士、スタッフ』の力がすごく重要なシステムになっているので、長期勤務してくれるスタッフに対し、処遇の良い医院が多いです。
デンタルハッピーでは、各クリニックのMTM(メディカルトリートメントモデル)の達成率〜働きやすさも踏まえ、総合的にクリニック情報をお伝えしています。