開業するなら事業継承も手段の1つ。今回は「M&A」を考えてみたいと思います。
近年、後継者不足から医院継承をどうすべきか?という声が多くなってきました。
多くのケースでは、廃業もしくは居抜き物件として売却するといった決断を。
しかし、そういった選択をすると「現スタッフの雇用を守れない・患者さんの医療継続ができない」といった悲しい現実が立ち塞がります。当然ながら「歯科医院を丸ごと継承してくれる第三者を見つかられないか?」というニーズが急増してきました。
そう、M&Aです。
開業を考えている勤務医にとっては、コストが抑えられるのでM&Aは是非やりたい。
しかし、M&Aは通常年商が2億円以上なければ、ビジネス成立が難しいと言われてます。なぜなら、売買のマッチング、実績の検証、お互いの相性を確かめる手間など、M&Aには多くの手間とコストが必要になりるからです。結果的に歯科医院のような小規模事業体のM&Aは、仲介業者からすると難しい案件でした。
出典元:instagram
現在は、M&Aのプラットホームが整備されており、金融機関・会計事務所がアドバイザーとなって、M&A案件をそのプラットホームに登録しておくことで、「売りたい・買いたい」のマッチングが生まれる仕組みが整備されてます。
アドバイザーにとって、少額の手数料にしかならない歯科医院(小規模事業)のM&Aでしたが、マッチングサービスが登場し仲介のコスト・手間が大幅に削減されたことで、前ノメリな姿勢をとるように。
歯科医院を売りたい人・買いたい人がインターネット上で出会うマッチングWEBサービス。歯科業界では『Batonz(旧&Biz)』というサービスを使うことがほとんど。売却希望の情報が全国規模で簡単に集まるので便利です。
《Batonzを利用したM&Aの流れ》
1, 相談(電話・メール)
2, アドバイザー訪問
3, 申し込み
4, Batonzへの登録後マッチング開始
5, マッチング依頼と受諾
6, TOP面談
7, 基本合意
8, 買収監査
9, 譲渡契約・決済
歯科医院におけるM&Aでは、親族でない第三者に、医院と併せて、スタッフと患者さんも同時に引き継ぎます。
居抜き物件と違って、M&Aはそこで働いている人も対象となるため、「買収をする側 / される側」の人間関係におけるフィーリングが大変重要です。
売り手を探している院長は、「〇〇な先生に引き継いでもらいたい」という明確な意思をもっておくことが大切。
逆に「××な先生には売りたくない」と線引きをしておくことも大切。
歯科医師の価値観は、(利益最優先)(本格治療)(地域密着)など人により様々です。
あまり深く考えずにM&Aを進めると、人間関係がギクシャクしたり、前院長を慕う患者さんが離れていくなど、トラブル勃発の可能性が高くなります。