歯科医師として、患者さんを診療できるようになるには、1年以上の“研修”を受ける必要があるのをご存知ですか?
意外と知られていない、研修制度のアレコレ。一つずつ見ていきましょう。
歯科医師へのステップを、おさらい。
・歯科大学、大学(歯学部)を卒業。
・国家資格に合格して、歯科医師免許取得。
・1年以上の研修期間を修める。
・歯科医師として、診療従事が可能。
研修先は、各自で自由に選択できます。この期間中に、「自分の学びたい事をしっかり学ぶ」「就職先を確保しておく」「人脈ネットワークを築く」など目的を定め、この先の長い“歯科医師ライフ”を見据えた選択をすると良いでしょう。
出典元:instagram
1. 歯学部附属病院(出身大学)
卒業生の約半数以上が、出身大学を研修先に希望しています。
臨床実習時に、コミュニケーョン(人間関係)がとれていることが多く、その時の経験をもとに研修がスムーズに進む事が多いです。
2. 歯学部附属病院(出身大学以外)
出身大学以外を希望する場合は、「麻酔の名医がいる・歯周病の臨床実績が多い」など、特別な魅力を備えている大学病院が希望される事が多いです。
3. 医学部附属病院
将来、口腔外科で働きたい人から、研修医時代に大きな症例を扱ってみたい人まで、多くの人が希望します。一般の歯科治療ではなく、口腔外科の臨床研修がメインになります。
4. 一般病院
病院によって特徴があり、口腔リハビリテーションなど研修生時代に明確に学びたいことが定まっている人が向いています。
5. 一般開業医
一般開業医で研修を受けることになります。
医院ごとに独自カリキュラムや風習などがあるので、事前に自分に適しているかをしっかり確認することが大切です。
研修終了と同時に、そのまま研修先に就職というパターンが多いです。
(注1)一般開業医の研修先は、厚生労働省の評価基準をクリアしている必要があります。
※評価基準の具体例
歯科医師・衛生士の在籍数 / 設備の充実度実績 ※常勤の臨床研修指導医が在籍
※臨床研修指導医って?
【7年以上の臨床経験 + 指導歯科医講習会の受講】 or 【5年以上の臨床経験 + 日本歯科医学会・専門分科会の認定医・専門医】
研修先によって、給与額が大きく異なります。医学部の研修医と比べると、歯科医師の研修生の給与は正直低いです。手取りにすると10万程度のところも少なくない。そのため、生活が苦しくなることもあるようです。
出典元:instagram
アルバイトで診療をしてお金を稼ぐことが効率的に思われますが、そこは【歯科医師法第16条の2】で、明確に禁止されてます。親御さんのバックアップ(仕送りが潤沢?)が難しい場合、この期間で金銭面のやりくりに苦労することになるかも・・
研修先給料例浜松医科大学 | 長崎大学病院 | 鹿児島大学病院 | 日本大学歯学部 | 明海大学病院 |
---|---|---|---|---|
310,000円 | 184,560円 | 181,500円 | 140,000円 | 128,000円 |
研修先を探している歯科医師免許取得者と、研修生を受け入れる施設。お互いの希望を、コンピュータプログラムで自動マッチングしてくれる歯科医師臨床研修マッチングプログラムというサービスがあります。
出典元:instagram
現状多くの人が利用しており、高い確率で第1希望の研修施設にマッチングしています。(平成29年は、8割の方が第1希望にマッチング)
大学病院別にみたマッチングの結果では、マッチング率100%を誇る大学から、50%を切る大学まで様々あるようです。また自学出身者のマッチング率は高い傾向にあるようです。
しかし、マッチングサービスを利用しなければいけないという決まりはありません。マッチングサービスを利用せずに、自ら研修施設を探すという方法もあります。いずれにせよ自分の将来に「明確なビジョン」を持つことが大切になります。
「どんな歯科医師になりたいか?」
「どんな診療を行っていきたいか?」
しっかり自分の方向性を定めておく必要がありそうです。
→ デンタルハッピーDrでは、“研修医明け”が働きやすいクリニックを複数ご紹介可能です。
転職サポートを受けたい方は、無料登録へ>>